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お父様、お母様。
私が学生としてどのような日々を過ごしているかは以前の手紙でお伝えしたとおりです。
あれから三ヶ月ほどがたちますが、千恵子さんや、時子さんとは今でも一番の親友です。
千恵子さんはやはり代議士のお父様の娘だけあって、成績は級の中でもバツグンに良く、頼りになるお方です。勉強のことでわからないことがあると、わかりやすく教えていただきます。時子さんは少しばかり社交的ではないのですが、とても優しく、無邪気で可愛げがあり、彼女と過ごしていると居心地が良く、いつまでもおしゃべりしていたいと思ってしまうほどです。
席が近くというだけで、これほど性格の違う三人が仲良くなれるとは思ってもございませんでした。以前の手紙でもお書きしましたが、学校は不思議な空間だなといつも思うのです。
ある日、英語の授業を受けた後のことでした。
突然、時子さんが面白いことを私たちに提案したのです。
その日を境に、私たちのこれまでの学校生活は、教養や修養の日々から、秘密と魅惑の光に包まれた日々に一転しました。
時子さんの提案は、三人でウィジャ盤遊びをやってみたい。という話でした。
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面白そうですね。と私はつい笑ってお答えしたのですが、実を申しますと、時子さんのウィジャ盤遊びの提案に、どこの学校でもあるつまらない七不思議のようなものだろうと、少し冷めた印象を持っていました。それに、なんだかとても罰当たりなことをするような気がして、あまり乗り気ではありませんでした。
けれども、千恵子さんはそうではなかったのです。極めて面白がっているようでした。あの時の千恵子さんは、いつもしっかりしている千恵子さんとは思えないほど、別人のように興奮してたのです。千恵子さんは、時子さんにウィジャ盤をするのにはどのような準備が必要なのか、何か危険なことはないのか、学校でやるならどこがいい場所なのか、とか、たくさんのことをお尋ねしていました。千恵子さんの目は質問するたびに輝いていきました。私は千恵子さんと目が合うたびに恐ろしいような、気味が悪いような、とにかく嫌な心地がして、気分が悪かったのです。
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