第68話 勇者と魔王と確認
そして、次の日の早朝。
宿屋の老婆に聞いたとおりに、俺は魔物の討伐に出かけることにした。
マオやセリシア、ドラコは置いていくことにした。そもそも戦力にならないだろうし、足手まといになるだろう。
幸い、ここの宿屋では別の部屋で眠ることができた。これならあのポンコツ魔王にも見つからずに外に出ることができて――
「おい」
と、部屋から出た途端に、呼び止められた。見ると……マオが不機嫌そうに俺のことを睨んでいた。
「……なんで起きているんですか。もう寝ているはずの時間ですよ」
「子供扱いするでない! 儂も付いていくからな」
「……あのですね。今から魔物を討伐するんですよ? 意味、わかってます? アナタの配下を討伐するって意味なんです」
俺がそう言うとマオは少しひるんだが、すぐに言葉を返してくる。
「……わかっておる。お主に魔物を殺すなと言っておるのではない。儂は……確認したいだけじゃ」
何を確認したいのかはわからないが……かといって、ここで面倒を起こすと、セリシアとドラコも起きてくる可能性もある。
「……わかりました。ただし、討伐の最中は俺の後ろにいてください。どうせ、アナタは魔物を討伐できないでしょう?」
俺がそう言うと悔しそうな顔をしていたが、マオは否定しなかった。
もし、仮にマオが、討伐を依頼されている魔物の味方をすると言い出したらどうしようかと思ったが……どうやら、本当に俺の討伐を邪魔しようというわけではないらしい。
結局、マオを引き連れた状態で、俺は魔物討伐に向かわないといけなくなってしまったのであった。
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