第111話 USO800導入の顛末
サンサン商事の社長室長みつなりが表向きはしまづの近代化のため、でも実はひでながのしまづつぶしの為の策略であるUSO800というシステムが徐々にしまづ社内に取り入れられていきました。
前代表のよしひさと前専務のとしひさの派閥の役員や社員たちは反対しましたが、よしひろの強い意思と粘り強い説得力により社内に浸透していきます。
すると、生産性が以前より上がり、無駄が少なくなりました。
一方職人気質の社員たちは居場所を失い、以前のようなやる気が無くなりました。
元気なうちは反対もしていましたが、時間が経つにつれて反対者の数も減り、士気も下がっていきました。
みつなりの本音は副社長のひでながの命令通り、しまづの牙を抜くことでした。
それに成功したわけですが、一方でみつなりは元来優しい性格でしまづに対する遺恨もなかったので彼にしては珍しくかなりしまづに対して配慮をしていました。
例えば、先ほど述べたやる気をなくしたり、反対するしまづの社員を見ても、しまづ社長代理のよしひろの顔を立てて見て見ぬふりをしていました。
また、よしひろがサンサン商事の言いなりであるという噂と、彼を批判する声が強くなると、サンサン商事の再度の介入をほのめかして、サンサン商事の同僚やしまづからのヘイトがよしひろから自分に来るようにもしました。
この点はよしひろも同じような立場で、しまづ社内のサンサン商事に関するヘイトを彼が一身で受けることで事態を収拾していました。
つまりこれは反しまづ派のひでながや反サンサン派のよしひさやよしひろに主導権を渡さないための政治的な駆け引きでした。
これは、見方を変えれば、よしひろとみつなりがもめる原因をもみ消して、激突をさけるという共犯のような関係でした。
しかし、USO800導入による人余り減少についてはみつなりはいずれ首にすべきという考えだったので、よしひろは頭を痛めていました。
なにか、よいアイデアはないだろうか?
よしひろが悩んでいた時、ある人物が忍者の如くよしひろの前に現れます。
その人物とは、かつてとしひさ配下であった京おとよ隊の者たちでした。
彼らは情報を持ってよしひろに会うため、わざわざ都から来たのです。
次回はその情報とよしひろの動きを紹介します。
※島津メモ 関ヶ原の戦いで石田三成が負けたため、島津の文書の中で三成に親しい描写のある書類は消された可能性があります。
関ヶ原前に島津と三成がうまくいってなかったという一連の話もそうした当時都合の良いことを書き残し、不味いことは隠ぺいする一連の工作だと考えられます。
最新の資料を見ると、島津義弘と石田三成が阿吽の呼吸でお互いの勢力がぶつからないように工夫する内容が出てきているようです。
様々な憶測を除くと義弘は三成をかなり頼りにしていたようです。
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