第16話 ノブナガ、都でのパレード

ノブナガとの会見が近づく中、京の都でノブナガのパレードがあると聞き、いえひさたちしまづの一行は群衆に紛れて見学することになりました。

流石というべきか、パレードの中で参加する人々の数も、外で見学する人々の数もめちゃくちゃ多いです。


しまづの県では到底見ることの出来ない賑やかなパレードでした。

刀や槍や鉄砲を持った大勢の社員が途切れることなく行進してゆきます。

(もちろん、これらの武器は本物ではなく模擬的な品です)


いえひさたちはただキョロキョロするばかりです。

その中でとよひさだけはかわいい顔を輝かせて目をキラキラさせながらパレードを見ています。


おとよ、かわいいよ、おとよ。

とよひさを警護するおとよ隊はそんなおとよにぞっこんです。

パレードなんか見ていません!


さて、パレードの中央に西洋風の鉄の鎧をまとった人物が見えてきました。

どうもあれがオダカンパニーの総帥ノブナガのようです。

どんな恐ろしい姿をしているのか?

魔王のオーラをまとっているのだろうか?


しまづの面々が緊張して注目していると・・・

アレ!?

ノブナガさん寝てますよ。


グースカ、グースカ、今にも馬から落ちそうです。

おい、大丈夫か?

何故か、居眠りしながらも時々意識が戻るようで何とか落ちずに進んでいくことが出来ました。


それにしても・・・

どんな怖い御仁かと思えば、たいしたことなさそうだなあ。

いえひさたちも拍子抜けしたようでそんな言葉が出てきます。


実はノブナガさん、凄くええかっこしいの見栄っ張りなので前日に張り切りすぎて、パレードの細かいとこまで自分の意見をマシンガンの如く言いまくったせいで睡眠時間も短く、翌日に疲れが残ってしまったようです。


実はこれほどの大掛かりなパレードの打ち合わせを細かい点まで差配する意思と能力があること!これがノブナガの恐ろしさの一端だとはしまづ一行はこの時気づかなかったようです。


さて、次回はついにノブナガとしまづの使者との対面です。

どうぞお楽しみに。


※島津家久の日記に京での織田信長の大軍勢を見学する機会があったようで、その時織田信長が居眠りしていたということが書いてあるそうです。


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