日曜日 その十三

桃色は話ながら、指を僕の胸から腹まで躍らせ、やがては生殖器にたどり着いた。彼女は手に力をいれてぎゅっと握り締めた。


「ああ!」


思わず悲鳴じみた声を発してしまった。痛感と反感、嫌悪感が同時に湧き上がってきた。


「痛いの?ごめんね。でも、昔から桃色の棒を掴むのが夢だったの」


こういいながらも、桃色は手を僕の生殖器から離さなかった。ゲームしかしらないお宅と思ったのに、

どこでこんなことを学んだのだろう。子供の顔と体をして。


「私がこんな事をするはずも考えるはずもないと思ってるの?いやねぇ。ゲームの中にもアダルトのゲームがいっぱいあるよ。私ね、そんなゲームをしながらずっとフモトの事しか考えていなかったの。男の主人公がフモトで、ほかの女は全部自分だと思ってゲームをプレイしたの。いろいろと興奮を与えてくれたけど、こうやって実際触ってみると、やっぱり本物は違うね」


「桃色、速く手をやめろ。じゃないと、本気で怒るよ!」


力のない僕の声にはなんの効果もなかった。脅しとしては弱かった。


「怒ってもいいよ。でも、怒ったとしても、私から逃げる事はできないよ。それに、これから、フモトは一生、私の玩具になるんだから」


そして、僕の目の前に一枚のパンツを掲げた。


「これは私がの穿いたまま、まだ洗ってないパンツなの。匂いを十分に味わってみてね。このにおいがフモトの体をもっと興奮させるんだから」


そういって、僕の口にパンツを強引に詰め込んだ。


叫ぼうにも、叫び声は出さず、低い呻き声しか出なかった。


桃色は手はだんだん激しくなってきた。僕の体には嫌なほどそれに反応してしまった。自分が気持ちわるい。


「どんな状況に置かれても男って正直なのね、ちゃんと勃起しているんじゃない。もしかして、フモトはこんなこと嫌じゃないってこと?なら、一秒も休まず、ずっとその感覚を味わせてあげる」


桃色の笑い声が小さな部屋中に響き渡った。


僕は必死に体をねじりながら抗った。しかし、僕の四肢を頑丈に縛り付けている黒い雲の鎖は、僕の体を解放してくれなかった。


葉月、僕を助けに来て。お願い。

心の中で何回も何回も願いを叫んだが、効果はなかった。僕の体は今も桃色によって、なぶられている。


桃色の手を舌は僕の全身を隅なく検査している。


認めたくはないが、体が段々熱くなってきた。こんな状況で反応するなんて、僕は変態なの?


変な電流が僕の全身を駆け巡り、脳を絶え間なく刺激している。


僕の始めての相手は、まさか桃色になるの?


「フモトも知っているでしょう。 セックスをする時はどうやるか。わからなくても本能に任せればいいんだからね……いや、私がリードするから体をリラックスして」


僕の体は変になっていたので、もう桃色が何をはなしているのか、少しも耳に入ってこなかった。


「抵抗する必要など、何もない。抵抗しようとしても、今はできないけどね。フモトが本当にしたい相手は私じゃないことはわかっている。でも、そんなこともうどうでもいい。心を手にいれないのなら、せめて体を私のものにしたい」


桃色はくすくす笑いながら、僕の上にまたがって坐った。


「これから私は私の体でフモトのものを感じ取るから、フモトも私の体内をちゃんと感じて。病みつくかもしれないよ」


抗おうとしても、体はもう欲に支配されていて、理性はもう欲情にはかてなくなった。体がほしいままにさせるべきかもしれない。


それでも、残りわずかな理性は僕に忠告する。


正気に戻って、と。


僕はこれからどうなるんだろう。

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