第92話 漫画家 寺沢武一様

寺沢武一様のご冥福をお祈りします。


とユーワケでくろねこ教授です。

「るろうに剣心」について書こうと思っていたのですが。

寺沢武一の訃報が飛び込んで来たので、予定変更。

少しだけ。


代表作『コブラ』は近年もOVAが発売されたりしているので、それで知ってる人も多いでしょう。

一時期はニコ動なんかで結構『コブラ』ネタあったしね。

後はコミック作画にCGを取り入れた先駆者としても知られています。


アニメ化も幾つもされていて。

個人的にオススメは。

何といっても!


『ゴクウ』

OVA 『MIDNIGHT EYE ゴクウ』です。

川尻善昭監督作品。

素晴らしい。

あの川尻演出のタメ。

からの風林寺悟空のハードボイルド台詞が松田重治氏の低音ボイスで響く。


デキの割には知名度イマイチな作品なので、見てねーや、と言う方は是非見て欲しい。

現在は配信などで普通に見れる模様。


『コブラ』は近年OVAより、昔の劇場版かな。

『スペースコブラ』TVアニメも良いけど。

『コブラ SPACE ADVENTURE』の映画がけっこう好き。

出﨑統監督作品。

松崎しげる氏が何故かコブラの声をあてているのが聴き処。

意外な事に違和感が無い。

良い味出しているのである。

劇場版が作られてからの、スタッフはほぼ継続でのテレビアニメ化という順番。

声優はお馴染み、野沢那智さんへ。

やっぱりこっちの方が本家と言う気はする。


ただ……くろねこ教授は個人的に『コブラ』に引っかかりがあって。

あまり大好きと言え無いのだよな。

以前も少し書いたが、自分は平井和正信者だったのだ。

『コブラ』の台詞って……平井和正の『アダルトウルフガイ』の台詞まんま引き写しだったりするんだよ。


これは単純にパクリとは言えない。

元々『コブラ』とゆーマンガは有名SFのアイデアの集大成的作品みたい部分がある。

第一話はフィリップ・K・ディックの『記憶屋』。

後に『トータル・リコール』として映画化された際、あれ『コブラ』とネタかぶってね、みたいな話が浮上したりもした。

寺沢武一氏はSF好きを公言しているし。

パクリと言うよりはオマージュ、リスペクト、とみる事が出来る。

ヒロインの一人、ジェーンはSF映画バーバレラのジェーン・フォンダをモデルとしているとも発言している。

その他、宇宙人のデザインなども有名SF映画のオマージュらしき物が見てとれる。

だから、『ウルフガイ』も参考作品としてとらえれば、アリなのだが。


『ウルフガイ』を知らない人の為に簡単に説明すると。

不死身のウルフ、と異名を持つルポライター犬神明。

くわえタバコでニヤニヤ笑う三枚目だが、実は本当に不死の狼男であった。

彼の行くところ事件が巻き起こり、CIAを敵に回しても恐れない。

「たった一人でCIAを敵に回すなんて、あなた頭がどうかしてるわ」

「俺は狼男だからな。満月の晩には少しばかり頭が狂うのさ」

みたいなキャラである。

なのでちょっとした軽口程度はかぶっても良いんだけどさ。

すげー大マジメなシーンでほぼほぼ台詞使ってる場面があって。

少し納得がいっていないのである。

パクリと言って騒ぎ立てる気は無いです。

さらにさかのぼるとジャン=ポール・ベルモンドとその映画があって。

両方ともそこに影響を受けている。

『ルパン三世』もそう。

だからジャン=ポール・ベルモンド兄弟と言えなくもない。

似てもあたりまえ。


だけど、個人的には引っかかってしまうのである。

『コブラ』を素直には楽しめない。


でもアニメ映画なら平気。

別物だし、くだんのセリフも登場しないしね。

なので。

『コブラ SPACE ADVENTURE』は好きなのだ。


あんまり寺沢武一様への追悼っぽくなくなってしまった。

ゴメンなさい。


『ゴクウ』好きだった。

左目に『神の目』を持つ男。

このフレーズがイカすよな。


『武 TAKERU』とかのデザインも。

あのカンチガイしたエセ日本風味を、逆にわざと取り入れるとゆーのが恰好良かった。


とゆー訳で。

寺沢武一様、ありがとうございました。

改めて、ご冥福をお祈りします


くろねこ教授でした。

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