356話 最新ステータス ティータ
引き続き、エルカ樹海を移動中である。
フォレストゴブリンもクレイジーラビットも、もはや俺たち『悠久の風』の敵ではない。
いや、パーティとして敵ではないのは以前からだが、もはや個人行動時に遭遇しても大きな問題はないレベルにまで達している。
特に、ここまでで最新ステータスを確認した俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リンはジョブレベルが相当に高くなっており、一流冒険者といっても差し支えないだろう。
本人たちの頑張りもあるが、別の要因もある。
単純に『悠久の風』に加入してからの歴が長いことにより、俺のチートスキルの恩恵を多大に受けているのだ。
この5人より後に加入したのは、順にティータ、ローズ、グレイス、エメラダ、そしてセリアとなる。
「……また魔物が出たみたいだよ……」
「分かるのか? ティータ」
「……うん……。気配がする……」
少し前までは、俺たち『悠久の風』の索敵はグレイスに任せきりだった。
だが、ここに来てティータにも索敵能力が加わった。
ここで彼女の最新ステータスを見ておこう。
ティータ
種族:エルフ
称号:エルカ迷宮踏破者
ファーストジョブ:木魔導師レベル21
セカンドジョブ:大斧士レベル20
サードジョブ:森林守護者レベル25
控えジョブ:木魔法使いレベル30、斧士レベル30、森人レベル30、結界魔法使いレベル13、水魔法使いレベル2
HP:B(04/30)
MP:B(14/30)
闘気:B(09/30)
腕力:B(18/30)
脚力:B(03/30)
器用:B(03/30)
アクティブスキル:
『木魔導師』ウッドバインド、ウッドランス、リーフブレード、ウッドバリケード
『大斧士』スラッシュ、ビッグスラッシュ、ギガスラッシュ、ダブルスラッシュ
パッシブスキル:
『木魔導師』MP強化、パーティメンバー呼吸効率上昇(大)、詠唱時間短縮、MP強化
『大斧士』腕力強化、アクティブスキル発動時間短縮、腕力強化
『森林守護者』自然回復力向上、全ステータス上昇(微)、気配隠匿力上昇、MP自然回復力向上、全ステータス上昇(小)、気配察知力上昇
『エルカ迷宮踏破者』全能力値上昇(小)、閉所耐性上昇
ファーストジョブとサードジョブは一旦置いておくとして、サードジョブに『森林守護者』がある。
これは初級ジョブ『森人』をレベル30まで上げることにより開放される上級ジョブだ。
戦闘系ジョブとは異なりアクティブスキルは存在しないのだが、その代わりにパッシブスキルがたくさんある。
その中で索敵に有用なのが、『気配察知力上昇』だ。
これにより、敵の接近を事前に感知できる。
ただし、あくまで「近付いてくる」という程度のもので、具体的にどんな魔物がどんな状態でいるのかまでは分からない。
それでも、何の情報もない状態に比べれば遥かにマシである。
ティータが示していた方向の茂みから、ガサガサという音とともに魔物が飛び出してきた。
「なんだ、ホーンラビットか」
角を生やしたウサギ型の魔物だ。
その角による攻撃力は侮れない。
だが、耐久力は紙レベルである。
下手に長い角が付いているものだから、その角に衝撃が加われば脳震盪を起こして気絶してしまう。
金属製の盾でガッチリと防御しているだけでも討伐が可能なくらいだ。
その上、クレイジーラビットのように厄介な特性も持たない。
「……初級スキルで十分かな。【スラッシュ】……!」
ティータが『斧士』の最初級のアクティブスキルで一撃。
ホーンラビットは魔石を残して無に還った。
「ふぅ……。こんな感じ……」
「お疲れさん」
俺はティータの頭を撫でた。
「ん……。ありがと……」
ティータが嬉しそうにしている。
頑張ったらしっかり褒めてあげるというのが一番大事なことだろう。
ティータの今後の活躍にも期待したいところだ。
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