245話 事後の朝

 チュンチュン。

 鳥たちの鳴き声で目が覚める。

 俺はベッドの上に座って、大きく伸びをする。


「ふぅ……。さすがに疲れたな……」


 昨夜は全員を相手に頑張ったので、少し寝不足だ。

 しかし、やはりハーレムとは楽しいものだ。


「おはようございます。ご主人様」


 シルヴィが声をかけてきた。


「ああ、おはよう」


 俺は挨拶を返しつつ、ベッドの上の惨状を見てため息をつく。


「これはひどいな……。誰が片付けるか……」


 シーツはぐちゃぐちゃだし、床には衣服や下着が落ちている。


「あの店員さんが片付けることになるのだろうか。昨日は多めのチップを渡しておいて正解だったな……」


 昨日受け付けをしてくれた女性店員は、なかなかの美人だった。

 若干の下心と共に、多めの料金を支払った。

 この惨状も何とかしてくれるだろう。


 俺は改めてベッドの上のみんなを見る。

 誰とは言わないが、白目を向いている者もいるな。

 激しく責めすぎたようだ。


「……ん?」


 あれ?

 1、2、3、4、5、6、7、8……。

 ベッドの上に女体が8つ見える。

 おかしいな。

 7人のはずだが……。

 シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズ、グレイスだ。


「あふぅ……。お茶を届けに来ただけなのにぃ……」


 そう呟いたのは、受け付けの女性だ。

 ベッドの上にある8つ目の女体は彼女である。

 彼女がなぜここに?


 ……いや、待て。

 思い出してきた。

 みんなでハッスルしているとき、彼女がお茶を持ってきてくれたのだ。

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