238話 ハーレム拡充計画
俺たち『悠久の風』は、アルフヘイムを出発した。
メンバーを改めて整理しておこう。
俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン。
ティータ、ローズ、グレイス。
そして拘束して歩かせているカイゼルたち『黒狼団』の面々である。
俺たちが目指すのは、南だ。
まずは、近郊の町で黒狼団を引き渡す。
その後は、エルカの町に向かう。
俺がこの世界に来て初めて訪れた町であり、シルヴィが奴隷として売られていた町だ。
ユヅキやユーヤたち『大地の轟き』はそこを拠点に活動していた。
リンの料亭ハーゼや、ミナの鍛冶屋もそこにある。
ローズのアイゼンシュタイン家の領地内であり、ティータが友好大使として来訪していたこともある。
全てはエルカの町から始まったのだ。
あの町でやり残したことはさほどないのだが、リンの料亭やミナの鍛冶屋の運営状況を確認する必要はあるだろう。
それに、あの町の冒険者ギルドの受付嬢セリアの近況も気になる。
セリアは海猫族だ。
語尾に『にゃ』が付く特徴的な話し方をするが、仕事は丁寧だ。
そして、なかなかかわいい子である。
いつか手を出したいと思っていたのだが、エルカの町にいた頃はなかなか機会がなかった。
当時の俺はまだCランク冒険者だったし、地位や収入だけで気をひくのは限界があった。
今ならどうだろうか?
俺がBランク冒険者のドラゴンスレイヤーになったことは、各ギルドで情報共有がされているはずだ。
遠方の町ならまだ情報が届いていない可能性はあるが、ブラックワイバーンを討伐したテツザンとエルカの町は、それほど離れていない。
情報は伝わっていると思う。
Bランク冒険者のドラゴンスレイヤーとして知名度がある今の俺なら、多少のアプローチだけでも落とせるのではないかと考えている。
まあ、そんなものに頼らずとも、俺の素の魅力だけでも何とか夜の戦いまでは持っていけるかもしれない。
そこまでいけば、俺の絶技でどうとでもなる。
「ご主人様。なんだか楽しそうですね」
「ああ、そうか?」
「はい。とっても悪い顔をしています」
シルヴィが俺の表情を指摘してくる。
「まるで盗賊の親分みたいな悪い顔なのです」
「……でも、そういうところも好き……」
ミナとティータ俺の顔を評する。
「ははは。まあ、これから面白くなりそうだからな」
俺は笑う。
各種チートを持つ俺のこの世界での成り上がりは非常に順調だ。
冒険者ランクはBで、しかもアイゼンシュタイン子爵家の令嬢であるローズと婚約までしている。
婿入りではあるが、俺も貴族の仲間入りだ。
あるいは、今後も冒険者として功績を挙げていけば、いずれ自力で爵位をもらうことすら可能かもしれない。
ハーレムメンバー全員を幸せにできるよう、今後も頑張っていかないとな。
俺は改めてそう決意するのだった。
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