178話 エルフの里『アルフヘイム』への道中

「のどかな風景だなあ……」


 カッポカッポと馬車を走らせながら、俺はそう呟いた。

 ここは森の中。

 鬱蒼と生い茂る木々の隙間から見える空には、雲ひとつない。

 絶好の行楽日和と言っていいだろう。

 だがもちろん、今日はお遊びでこの森に来ているわけではない。


「……ん。この辺りまで来ると、魔物は少ない。ティータたちエルフ族が、魔物を間引いているから……」


 ティータがそう言う。

 俺たちは、テツザンを離れエルフの森に来ている。

 里の名前は、『アルフヘイム』と言うらしい。

 ティータの希望で、俺たち『悠久の風』の次の目的地はそこになっているのだ。


 ティータは『悠久の風』の一員として今後も活動してくれる。

 そして、俺のハーレムメンバーの一員でもある。

 しっかりと親御さんに挨拶しておこう。


 そういえば、久しぶりにそれぞれのステータスを整理しておこうか。

 もちろん日々確認はしているのだが、テツザンでの活動を終えて次の土地に向かっている今が、整理するいい機会だろう。

 まずは……。

 ミッションの件だ。



ミッション

ジョブを10種取得せよ。

報酬:サードジョブ枠の開放



 テツザンでの活動中に、このミッションを無事に達成している。

 エルカの町で取得していた、風魔法使い、剣士、氷魔法使い、雷魔法使い、鍛冶師、料理人、火魔法使いで7種。

 そしてテツザンで新たに取得した、土魔法使い、格闘家、英雄の3種。

 合計で10種となったのだ。

 ちなみにブラックワイバーン戦後にはさらにもう1種追加されたのだが、とりあえず置いておこう。


 報酬のサードジョブは、やはり俺以外のパーティメンバーのサードジョブ枠を開放するというものだった。

 これで、どのジョブを育てるか悩む要素が少し減ったことになるな。

 みんなのジョブレベルをガンガン上げていこう。



ミッション

『悠久の風』のパーティ人数を7人にせよ。

報酬:レアドロップ率上昇



 こちらのミッションも達成済みだ。

 エルカの町を出発した時点で、『悠久の風』のパーティ人数は5人だった。

 俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、そしてリンだ。

 今は、ティータとローズも加入している。


 ちなみにこのミッションで言うところのパーティ人数とは、冒険者ギルドで登録する形式的な意味ではない。

 俺のシステムスキル『パーティメンバー設定』で編成したパーティ人数のことだ。

 その対象となるためには一定以上の好感度が必要なのだ。

 ブラックワイバーンを討伐した後ぐらいのタイミングでティータとローズがそれぞれ条件を満たしたのである。


 今では、彼女たちのジョブも自由に設定変更できるし、セカンドジョブやサードジョブを設定することもできる。

 その説明でひと悶着あったのだが、今は置いておこう。

 今は、それぞれのステータスを再確認していくことにする。

 まずは俺だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る