125話 酔っぱらいたちの猛攻

 宿屋の一室にて、みんなで酒盛りをしているところだ。

 各自、エールを数本以上空けている。

 程々にしておくと言っていたユヅキも、もうベロンベロンだ。

 そして、突然シルヴィが立ち上がった。


「んふ~♪」


 なぜか上機嫌のようだ。

 これはまずいパターンだぞ……。


「おい、シルヴィ。そろそろ……」


「ご主人様!」


「うおっ!?」


 急に大声を出すので驚いた。


「わたしのこと、どう思っているのですか!?」


「ど、どういう意味だよ、いきなり!?」


 酔っぱらい相手にまともに取り合う必要はないのだが、つい真面目に答えてしまう。


「好きかどうか聞いているのです!」


「それは……」


 もちろん好きだ。

 だが、それをここで言っていいものなのか?

 みんな見てるし。

 いや、俺がハーレムを目指すことは公言しているし、今さらか。


「わたしは大好きなのですう!」


 シルヴィがそう言いながら、抱きついてくる。

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