109話 最新ステータス シルヴィとユヅキ

 みんなの最新ステータスを再確認しているところだ。

 次は、シルヴィのステータスに目を通す。



シルヴィ

種族:白狼族

ファーストジョブ:氷魔法使いレベル25

セカンドジョブ:獣戦士レベル23

控えジョブ:料理人レベル3

HP:D(03/05)

MP:C(08/10)

闘気:D(00/05)

腕力:D(00/05)

脚力:D(02/05)

器用:D(00/05)


アクティブスキル:

『氷魔法使い』アイスショット、アイシクルスピア、ブリザード

『獣戦士』ビーストストライク、ダブルビーストストライク


パッシブスキル:

『氷魔法使い』パーティメンバー寒さ耐性向上、MP強化

『獣戦士』脚力強化



 シルヴィは『氷魔法使い』がレベル25に達し、節目を迎えた。

 新たなスキルはブリザード。

 MSCでもお馴染みのスキルで、なかなか強力な攻撃魔法だ。


「シルヴィ。改めて、新しい氷魔法を見せてもらえるか?」


「承知しました!」


 彼女がゴブリンに向けて詠唱を開始する。


「凍てつく氷の精霊よ。契約によりて我が指示に従え。氷の嵐を生み出し、我が眼前の敵を一掃せよ。ブリザード!!」


 ビュオッ!

 雪の嵐が巻き起こり、ゴブリンを襲う。


「ぎ、ぎいいぃっ!」


 やつが苦悶の声を上げる。

 局所的な寒さにより、ダメージを受けている様子だ。


「寒そうなのです」


「でもよ、直接的なダメージはないみたいだな」


 ミナとリンがそう言う。


「そうですね。使い所に注意する必要がありそうです。……せえぃっ!」


 シルヴィが魔法の発動を終え、ゴブリンに近づいて短剣による攻撃でトドメを刺した。

 やつは魔石を残して霧散する。


「ご苦労、シルヴィ。氷魔法には寒さで動きを鈍らせる効果も期待できるし、有用なのは間違いないだろう」


 MSCにおいて、ブリザードの使い道は大きく3つあった。


 まず1つ目は、単純な範囲攻撃として。

 他の属性の範囲攻撃魔法と比べるとやや威力は落ちるものの、範囲攻撃という点だけでも一定の有用性はある。


 2つ目は、寒さで動きを鈍らせる手段として。

 動きが鈍っている間に他の魔法や近接攻撃などで畳み掛けるのだ。


 そして3つ目は、氷属性が弱点の魔物に対しての攻撃として。

 攻撃力が他の属性の攻撃魔法よりやや劣るとはいえ、氷属性が弱点の魔物に対しては当然最も高い威力を発揮する。


「今後も精進します! 氷魔法はわたしにお任せください!」


「ああ。頼りにしているぞ」


 彼女は非常に頼りになる存在になりつつある。

 次に、ユヅキのステータスを確認しよう。



ユヅキ

種族:茶犬族

ファーストジョブ:獣剣士レベル25

セカンドジョブ:土魔法使いレベル23

控えジョブ:料理人レベル3

HP:E(04/05)

MP:C(01/10)

闘気:D(00/05)

腕力:D(00/05)

脚力:D(02/05)

器用:C(06/10)


アクティブスキル:

『獣剣士』ビーストラッシュ、ダブルビーストラッシュ、スーパービーストラッシュ

『土魔法使い』クリエイトブロック、ロックウォール


パッシブスキル:

『獣剣士』パーティメンバー会心率向上、腕力強化

『土魔法使い』MP強化



 シルヴィは『獣剣士』がレベル25に達し、節目を迎えた。

 新たなスキルはスーパービーストラッシュだ。

 何のひねりもない安直なスキル名だが、威力は折り紙付きだ。


「鮮やかなる剣の神よ。我が剣技に奇跡を与え給え。華麗なる瞬撃。スーパービーストラッシュ」


 ズバッ!

 ユヅキの華麗な一撃で、ゴブリンが瞬殺される。


「ふむ。いい感じだな」


「うん。魔法も近接も、順調に上達している実感がある。コウタの力のおかげだね」


「まあな。しかしもちろん、ユヅキ本人の努力があってのことでもある」


 いくら『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵があるとはいえ、狩りや鍛錬をサボっていればレベルはなかなか上がらない。

 ユヅキの日々のがんばりが結果となって現れているのである。

 次に彼女の兄ユーヤに会ったときには、きっと驚いてくれるだろう。


 続いて、ミナのステータスを確認しよう。

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