106話 目隠し

 夜に、料亭ハーゼにて『雷魔法使い』のジョブの取得に挑戦しているところだ。

 俺は、目隠しをリンに差し出した。

 彼女が少し引いたような表情をしているので、弁明をしておこう。


「わかってくれているとは思うが、これはジョブの取得のためだぞ」


「ああ。そういや、そうだったな。これで何のジョブが取得できるんだ?」


「『雷魔法使い』だな。リンは『金兎族』でもともと適正が高めだろうし、成功する可能性は高いと思う」


 同様の行為をシルヴィやユヅキがやったとしても、実際に取得できるかは不透明だ。

 まずはリンで試してみて、成功すれば彼女たちにも転用していけばいいだろう。

 俺は『氷魔法使い』と『火魔法使い』を取得しているが、これらもまずはそれぞれシルヴィとミナに取得してもらった。

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