89話 最新ステータス リン

 今後の活動に向けて、みんなの最新ステータスを確認しているところだ。

 俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナのステータスは再確認した。

 最後にリンのステータスに目を通す。



リン

種族:金兎族

ファーストジョブ:料理人レベル22

セカンドジョブ:獣闘士レベル18

HP:E++++

MP:E+++

闘気:D

腕力:E++

脚力:C+++++

器用:D++++


アクティブスキル:

裂空脚

砲撃連拳


パッシブスキル:

パーティメンバー腹減り低下

斬耐性強化

肉類ドロップ率上昇

器用強化

脚力強化



 リンはもともとのレベルが低めだったこともあり、レベルの伸びが大きい。

 俺たちに追いつきつつある。

 特に脚力の評価値は優秀だ。

 さすがにミナの豪腕ほどではないが、魔物への痛打に期待できるだろう。

 彼女は『料理人』がレベル20を、『獣闘士』がレベル15を超え、節目を迎えた。


「リンも、ファーストジョブは今まで通り『料理人』でいいのか?」


「おう。コンテストで3位に入賞できたことだし、もっと上を狙っていくぜ」


 ジョブレベルが上がれば、料理も上達する。

 もちろん、料理自体の経験を積むことも大切だが。


 料理人のパッシブスキルは、『パーティメンバー腹減り低下』だ。

 なんと、彼女がパーティにいるだけで、お腹の減る速度が低下するという超スキルである。


 ただし、その効力が及ぶのは、最大でも数日程度。

 効力が切れた後は、反動で一気にお腹が空く。

 空腹感だけを紛らわせている感覚に近いが、実際のところはスキルの影響時間内は栄養失調にもならない。

 ダンジョン攻略などにおいて、有用である。


「わかった。今後のできる限り『悠久の風』として活動してくれれば、非常に助かる」


「そのつもりだぜ。あたいにもメリットがあるからな。セカンドジョブの『獣闘士』を活用して、バッタバッタと倒してやるよ。まあ、拳はあまり使いたくねえがな」


 獣闘士の二つ目のアクティブスキルは、『砲撃連拳』だ。

 名前の通り、砲撃のように強力なパンチを連打するスキルである。

 有用なスキルではあるが、『金兎族』である彼女にはやや相性の悪いスキルでもある。

 彼女は腕力よりも脚力のほうが圧倒的に優れているからな。


 そもそも彼女の本業は料理人なので、できるだけ手はケガをしたくないという思いがある。

 基本的には『裂空脚』をメインに戦うことになるだろう。

 まあ、いざというときの選択肢が増えただけでも損ではない。



 以上が、俺たち『悠久の風』の最新ステータスである。

 みんなずいぶんと強くなった。

 これなら、さらなる活躍もできるだろう。


 今日のエルカ草原での狩りを終え、冒険者ギルドに向かう。

 低級の魔物しか出ないエルカ草原でも、俺のチートスキル『パーティメンバー経験値ブースト』と『魔石蓄積ブースト』により、そこそこのレベリング効率と収入は得ることができている。

 しかし、いつまでもここでチンタラしているつもりはない。


 そろそろ次の活動方針も決めておかないとな。

 そういえば、俺たちがDランクに昇格するのはいつになるのだろうか。

 エルカ草原、エルカ樹海、エルカ迷宮。

 冒険者登録をしてまだ日は浅いものの、それなりの功績は残している。

 Dランクに昇格してもおかしくない頃合いだと思うのだが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る