56話 ミナのステータス

 『パーティメンバー設定』スキルでミナをパーティに勧誘した。

 さっそく、彼女のステータスを確認する。



ミナ

種族:ドワーフ

ファーストジョブ:鍛冶師レベル8

セカンドジョブ:未設定

控えジョブ:槌士レベル3

HP:E+

MP:E

闘気:E++

腕力:E++++

脚力:E

器用:E++


パッシブスキル:

火耐性強化



 鍛冶師と槌士のジョブレベルは、概ね予想通りと言っていいだろう。

 ステータスやパッシブスキルも、俺のMSCの知識や経験から想定していたものと大きな相違はない。


 気になるのは、セカンドジョブが最初から開放されている点だ。

 シルヴィやユヅキもそうだった。

 心当たりがあるとすれば、俺が以前達成したミッションだ。



ミッション

ホーンラビットを討伐せよ。

報酬:セカンドジョブ枠の開放、経験値(小)



 この報酬の『セカンドジョブ枠の開放』が、その後のパーティメンバー全員に対して効力を発揮している可能性がある。

 シルヴィとユヅキに続いてミナもセカンドジョブが開放されている点を考えると、その可能性は高いだろう。


 喜ばしい傾向だと言っていい。

 しかし一方で、気になる点もある。

 ここで、俺の最新ステータスを確認しておこう。



コウタ

種族:人族

ファーストジョブ:風魔法使いレベル17

セカンドジョブ:剣士レベル15

サードジョブ:氷魔法使いレベル9

フォースジョブ:未設定

控えジョブ:鍛冶師レベル1

HP:D+

MP:C+++

闘気:E++++

腕力:D

脚力:E++++

器用:D+


システムスキル:

ジョブ設定

経験値ブースト

パーティメンバー設定

パーティメンバー経験値ブースト


アクティブスキル:

ウインドカッター

エアバースト

ラッシュ

ダブルラッシュ

アイスショット


パッシブスキル:

MP強化

腕力強化



 新たにフォースジョブが追加されている。

 フォースジョブ関連のミッションは達成していないので、開放条件が謎だ。


 ただ、ある程度の傾向は見えてきた。

 前回サードジョブが開放されたのも、今回フォースジョブが開放されたのも、『パーティメンバー設定』にて新たなメンバーを迎え入れたタイミングだ。


 シルヴィをメンバーに設定したタイミングで、俺のサードジョブが開放された。

 ユヅキをメンバーに設定したタイミングでは、変化なし。

 ミナをメンバーに設定したタイミングで、俺のフォースジョブが開放された。


 まだ確かなことは言えないが、今後新たに2人のメンバーを設定すれば、俺のフィフスジョブが開放されるかもしれない。


「ええっと。それで、これは何なのです?」


「ああ、実はな……」


 俺は『パーティメンバー設定』『パーティメンバー経験値ブースト』『ジョブ設定』『念話』などの件を説明する。

 シルヴィとユヅキには以前ざっくりと説明していたが、この場で改めて説明した。


「本当ならすごいことなのです。でも、正直まだ判断がつかないのです。念話はすごいですが……」


 念話も試してみた。

 問題なく会話できる。

 ただ、4人全員で会話すると、使用可能時間がすぐに消費されるようだ。

 基本的には普通に会話することになる。


「ミナからすれば当然のことだな。ついさっきパーティメンバーに設定したばかりで、念話以外の恩恵は実感していないからな。だが、シルヴィとユヅキはわかるよな?」


「そうですね! ご主人様のおかげで、急速に成長できているように思えます!」


 俺たちは、『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵によりジョブのレベルアップが早い。


「それに、いつでもジョブを変えられるのも便利だよね。僕は、セカンドジョブに『土魔法使い』を設定してもらっているけど」


 ユヅキには、俺のMSCの知識により『土魔法使い』を取得してもらった。

 そして、『ジョブ設定』により『土魔法使い』をセカンドジョブに設定している。


「コウタくんに加えてシルヴィさんとユヅキさんまでそう言うのなら、間違いなさそうなのです」


「ああ。それに、今後の狩りで嫌でも実感することになるだろう。自分の力が急速に成長するのをな」


「期待するのです」


 ミナがそう言う。

 現状でも、ミナは戦力として貢献してくれていた。

 ここから急成長すれば、さらなる活躍が見込める。

 楽しみなところだ。

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