水曜日。宇宙の渚で待ってるよ

作者 嶌田あき

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★★★ Excellent!!!


 宇宙のなぎさ。
 それは、空と宇宙がまじりあう、紺碧の境界線。

 天文部のたった一人の部員、澪は、顧問の羽合先生に片思いをしている。だが、羽合先生はかつて、亡くなった澪の姉の彼氏だった。
 そんな微妙な関係の二人。

 そこへ、澪の姉が6年前に空へ飛ばしたカプセルが発見される。
 カプセルは、当時理科部だった姉が高高度へ打ち上げた気球につけられたもので、姉はそのカプセルを飛ばして「宇宙のなぎさ」を目指していたらしい。

 澪は、姉の遺志をつぎ、「宇宙のなぎさ」をめざすことを決心する。

 憧れの羽合先生への想い。そして、姉が目指した「宇宙のなぎさ」へのあこがれ。最初はちいさな思いつきだったものが、失敗と試行錯誤を繰り返すうちに、「宇宙のなぎさ」は澪の目標となる。

 卒業後の進路の不安とか、羽合先生との関係とか、そして姉が遺した秘密に傷つき、何度もあきらめかけながらも、親友や仲間たちとともに、一途に成層圏をめざす澪。

 旅客機の飛ぶ高度、一万メートル。たった10キロ。そのさらに上。
 直線距離では短いけれど、まっすぐ上がるのは至難の高度。そこに必ずある「宇宙のなぎさ」。澪と仲間たちの想いをのせて、いま気球が高高度を目指す。

 ぜったいに流れ星を見られる方法って知っている?

 物語のラストで澪はその答えを見つけます。でもそれは、彼女が「宇宙のなぎさ」まで到達して初めて見つけることのできた答えです。
 あなたも、見て見たくはないですか?

 宇宙のなぎさを。