魔の森
『ドバンの寝床』で一泊した後、俺は町の南にある魔の森の入り口に向かった。もちろん『ジグラの鎧』を装備している。
「ここが魔の森か……」
しばらく進むと前方に、どこかで見たことのある巨狼を見つけた。
(鑑定)
名無し (7)
グレートウルフ Lv60
性別 ♂
ステータス
体力 5824/5912
魔力 3021/3416
筋力 4915
敏捷 6458
防御 4032
スキル 身体強化Lv4
魔力を継続的に消耗して、一時的に筋力、敏捷、防御のステータスを1.2倍にする。効果が解除されると、強化した時間と同じだけの間、強化したステータスがもとの0.8倍になる。レベルが上がるほど、強化倍率が高くなる。
やはり、チュートリアルダンジョンで俺を瞬殺した奴と同じ種族か。さすがは魔の森。魔物の強さが半端無い。
(殺らせて頂きます)
ここで、いつもなら奴の喉の中に真水や酸を生成して倒すのだが、今回は違う方法で倒してみたいと思う。
テツヤと戦った時に、自分の攻撃方法のあまりの少なさに気付いたからだ。
幸いまだこちらに気付いていない。
俺はスキルの発動を強く念じると共に、頭の中で、酸の弾丸を発砲する様子をイメージした。
巨狼へ飛んでいった酸の弾丸は、その首に風穴を空けた。血がドクドクと流れ落ちていく。
しかし倒れない。弾が小さ過ぎたか?……奴は俺に気付くと、体を少し赤色に光らせ、こちらへ向かって来る。おそらく『身体強化』を使ったのだろう。
俺がさっきよりもっと大きい酸の弾丸十発を飛ばすと、その場に崩れ落ちた。
(鑑定)
体力0/5912
死んだな。これは……『酸弾』と呼ぶか。
──ガサガサ──
そうか、狼は集団行動をするんだった。
────
──ピコーン
〈レベルが上がりました〉
それからのグレートウルフ達との戦いで、色々な攻撃手段が生み出せた。
水圧を極限まで高めた結果、細くしか出せないものの、敵を切断することが可能になった『水切り』。コスパは悪い広範囲殲滅型。
水の板の厚さを極限まで薄くすることで、敵の首に直に生成してそのまま切断することが可能になった『断ち水』。コスパがいい。対個体用。
敵の体に水を生成しまくって破裂させる、
『水破り』。コスパは悪いが、漏れ出る内臓は敵に恐怖を抱かせる。
『酸弾』の散弾バージョンの、『酸弾改』。近距離型。敵の体を大きく仰け反らせる。
指定した範囲内の水分を無くして、相手の目をカピカピにすることが可能になった、『目潰し』。コスパは悪い広範囲デバフ。
相手の体内の水分を抜く『水抜き』。外傷無しに討伐したいとき用。
我ながら結構えげつないのを生み出してしまったな……相手によって使い分けよう。
グレートウルフ達を水に浮かせながら、俺はドバンの町へ帰った。
────
──「解体と、魔石以外の買い取りを頼みたい。」
「…………!……解体費用がかかりますが、よろしいですか?」
「それでいい。」
俺は結構な数の魔石とお金を手に入れた。
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