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「お父さん、ご飯だよ」
その声に、私は現実に引き戻される。振り返った私は凍り付いた。
「!」
そこにいたのは、泰子だった。あの頃のままの。
「どうしたの?」
「あ、ああ……すまん」
ようやく私は我に返る。それは娘の詩織だった。そうか。詩織もあの頃の泰子と同じ年になったんだった。
「もう。すぐに来ないと、お母さんと一緒に先に食べちゃうからね」
詩織はくるりと後ろを向いて歩き出す。
「ああ、分かった」
私はポケコンを手にして、そそくさと詩織の後を追った。
なんだか後ろ姿も随分泰子に似てきたような気がする。それはそうだろう。
だって詩織は、泰子の実の娘なのだから。
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