第27話 面白いものと最悪と

第5話について、少し編集をしました。後々にも若干関わるかもしれないので是非目を通してみて下さい。

………………………………………………………


「と、まぁそんな感じで。」


「え?変身後端折るんでござるか?」


「倒したはいいものの、デカすぎる魔力を垂れ流しにしたため政府から新手の怪人と思われて要注意指定怪人になりました。現在進行形で。」


要注意指定怪人とは、「こいつ超やべーから発見したら逃げろ」という災害レベルの怪人の呼び方だ。


「政府から人間だと思われてないってことでござるか……」


「この前喫煙者だと暴露されたから人間だと思う人がもっと増えるかもしれんが、人間に擬態してるだけって考える奴もまだいるだろうな。特に国は頭が硬いからなー、怪人扱いは辞めないだろ。」


どうしたら辞めてくれるんかね。税金でも納めればいいのかね。

税金をたらふく納めれば国は何も言わないからな。


「あ、そういえばよ。お前が言ってた面白いものってなんだ?」


「そうでござったな。5話も跨いだから忘れてたでござる。灰島氏、これを見てほしい。」


そう言って御託はどこからともなく、ドクンドクンと脈打つ手のひらサイズのなにやらグロテスクな物体を取り出した。


「うわ、キショ……なにこれ?」


「例の学生を調べていたら口から出てきたんでござる。拙者の考察によると、この物体を経口摂取することで人が怪人になるのでは、と。」


「何それ怪人細胞?ワンパ○マンかよ。」


「ともかく、この物体が本当に人を怪人に変えてしまう代物なのであればとんでもない事になるでござるよ。」


「……まぁ確かにな?今まで討伐してきた怪人が人間の可能性が出てくるからな。しかし、なぜ俺に言うんだ?俺はただの教師だし、魔法少女としても国からは怪人扱いだ。七川とかに言った方が良くないか?」


そう言うと御託は少し考え込み、あぁと言うように手をポンと叩いた。


「あー……つまり俺はバレ損って訳か?」


「そういうことになるでござるな。」


「殴っていい?」


「魔法少女のパワーで殴られたらDI○戦の花○院みたいに穴が空いてしまうでござるよwww」


「なにわろてんねん。」


こいつ、いっぺんマジで殴ったろかな。


「んじゃ、そろそろ俺は行くわ。病院抜け出してたし。おいナノ、起きろ。」


地面で寝ているナノにチョップ、続いて逆関節極め。それでも起きないので魔法で水をかける。


『んみゅ……ハッ!ここはどこ!?』


「ほれ、行くぞ。」


『なんで変身してるのにゃあ……』


「うるせーなー、さっさと変身解除や。」


『はいはい、変身解除……ん?』


「あ?どうしta…」


ガラガラガラ、と言葉を遮るようにドアの開く音がする。この部屋には2人と1匹。御託はドアには触っていない。ということは……


「あら?御託君、ここにいたの?一体なにを……」


今ここで、最も聞きたくなかった声がする。先程聞いたばかりの、気の強いこの声。


「ルナ……?なんでここに……!?」


「ナ……ナ……」


七川炎焔、またの名をナナ。もしくはヒート。

最近になって"私"へのヘイトが高くなったような気がする奴。

ほら見ろよ、もう杖出してる。変身までの判断が早い。

とにかく今私にできることは……


「ナノ!」


『ほいさ!影移動シャドウテレポート!』


逃げる!


………………………………………………………


「ナノ!」


『ほいさ!影転移シャドウテレポート!』


「あ!待ちなさい! 」


制止虚しく、彼女はどこかへ姿を消した。

ひとまず、本部に連絡を入れよう。



「……斑目さん、ルナが現れました。すぐに転移したため今は居場所が分かりません。残存魔力による捕捉と応援をお願いします。」


『マジ?後ででいい?今カップ麺食ってんだけど。あ、応援なら今してやろうか?がんばれー』


「ダメに決まってますよ。あと応援ってそっちじゃないです。…阿部さん、お願いします。」


『なーにいって…ちょっ阿部君!それ私の!待って!待っア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!期間限定なのにぃぃいぃぃぃぃいいいいい!!!!!』


「じゃあ、お願いしますね。」


『ちょっと待て!!もしやそれ口移ししようとしてないだろうな!!!カー○ィじゃないんだぞやめろ私にそんな趣味はなiんッグゥ……アッッッッツ!!!!!ゲホッゲホッウェェェェェ!!!!!』


ブツリ。


「…………」


……大丈夫かなぁ。頭とか…

って、そうじゃない。あの人達と話すと気が抜ける。


「御託君、大丈夫だった!?何されなかった!?」


「い、いやそのえっとヤバイナナタソガセッシャニハナシカケテヤバイムリムリムリ」


何故か顔を真っ赤にしてボソボソと喋っている。なんでこんな……まさか、ルナの仕業!?魅了チャームの類だろうか、もしや姿を見られたルナは彼を言語を話すことが出来ないようにした……?


「ッ!変身!!」


「アッバァナマヘンシンニカイメェアバババババ」


やはりまともに話せてない……私の大馬鹿者!なんであいつの魔力に気が付かなかった!私が!私が何とかしないと!


『"幻想"の捕捉、したぞ……後はよろしkって待て阿部!止まれ!ステイ!阿部ステイ!もう無理!私限界だから待ってホント止まっああああああああぁぁぁ!!!』


……何してるんだろうか。

いや、今は考えないでおこう。とにかく指定されたところに行こう。そして今度こそ……


そうして私は校舎から飛び立った。


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ポケモンとおにまいとニーアオートマタのアニメにより間開きまくりの新年初投稿です。

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