第22話 明日やろうは馬鹿野郎
ジョジョネタも程々にしないとな…と思いました。まる。
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目の前で怪人が轟音と共に爆発。そんな光景を見せられて興奮しない者は当然おらず、観戦していた者達は変身を解除し、戻ってきた七川を迎え入れてやんややんやと盛り上がっていた。
「うはwこの技を生で見れるとはw光栄でござるww」
「やっば…2回爆発したよ…なにあの技」
「00110101!1001101010。」
「アッ砂が!砂が目に入った!」
ただ1人を除いては。
「………」
まるで「シ〇ジ、エ〇ァに乗れ。」とでも言いそうな体勢で座っている。そう、我らが灰島である。
「どうしたのでござるか?そんなゲ〇ドウみたいな雰囲気になって。耳でも逝ったでござるか?」
「……」
『沈黙は肯定とみなす』という言葉があるが、このヤニカス廃人野郎がかいている汗は決してそれが理由では無いだろう。
(…爆音と爆発のせいで誰も気付いていない様だが…怪人が吹き飛ぶと共に”何か”が勢い良く飛んで、後方にある校舎のガラスを突き破っていた…様な気が…あとナレーション、貴様黙れ。)
ウッス。
(マズイ、非常にマズイ。十中八九、いやほぼ確実に”アイツ”だ。髪怪人の内部にいたのはアイツしかいない…。)
「だ…大丈夫でござるか…?そんな他の人に見られちゃマズイ物が怪人の中に取り残されていて、それが怪人と一緒に吹き飛んで後ろの校舎のガラスを突き破っていったのを目撃したような顔をして…」
(エスパーかよコイツは…)
「大丈夫だって、それよりもお前はあのコギャルを見てこい。」
そう言って中庭の中央に倒れているギャルを指す。
「あ、ああ。そうでござるな。」
「念の為に七川連れてけ。」
「了解したでござる。」
七川の方へ向かい、そのまま一緒にギャルの方に走って行く御託を見届け、そのまま誰も見ていないのを確認してから俺は後ろの割れた窓からスーパー跳躍力で教室内に入った。
教室内に入って先ず目に入ったのは、廊下側の壁。
しかもただの壁ではなく、少し大きめの穴が空いている。
「お、おいおい…まさか…」
嫌な予感と共に廊下に出ると、向かいの教室の壁にも穴が空いていた。
「oh......」
思わず天を仰ぎ、思う。
神は死んだ。(問題発言)
そんな感情と共に向かいの教室に入ると、やはりというかなんというか。
机や椅子を巻き込んで倒れているナノを発見した。
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倒れているナノに向かって(鼻にわさびとかからしとか突っ込んでやろうかな)と考えていると、ナノが目を覚ました。
「うみゅ……ここ、どこ…?」
「あ…起きたのか。今から近くの百均でわさびとからしをあるだけ買ってこようと思ってたのに。」
そう言うやいなや素早く俺の傍から離れるナノ。
「な、何をするつもりだったの!?」
何をするつもりって…ただわさびとからしを使って(およそ聖職者として言ってはいけない事)して(およそ主人公として言ってはいけない事)とかして(およそ人として言ってはいけない事)をして差し上げようとしか…そんな反応されると傷付くだろ。
「ボクは知ってるぞ…めーすけがあの顔をしている時は大抵良くない事をしようとしている時の顔なんだ…」
「このプリティーなお顔になんて失礼な事を。」
「プリミティブな顔の間違いじゃないの?」
「誰が
全く、失礼な野郎だ。
「ところで、なんで教室こんなに荒れてるの?壁にも穴空いてるし…外まで見えるよ。
こんなのまるでSNS上でのルナのタグ並に荒れてるよ?」
そういえば、という感じで辺りを見回して言うナノ。
なんで荒れてんの知ってんだコイツ。
ちなみにネットの民がナノに対して猛烈にバッシングを浴びせているのは、喫煙者であることがバレたからである。(なに?覚えてない?それなら是非とも1話から見直してくれたまえ。)
ホントあの黒髪は何がしたかったんや……
そんなことを考えていると、ナノが聞き捨てならない事を言い放った。
「また何かやったの?いい歳なんだからさ、もっと落ち着きを持って行動しようよ。」
やれやれ、と小5の担任みたいな事を口走る。
「……」
「だからさ、……みたいにさ………して……」
「…『
「…で………え?」
ゆらり、と立ち上がる俺。
はっきり言おう。キレた。
「─────お前は『
そう叫び、ナノの脳天に手刀を叩き込む。
「───ッ!?!?」
「お前ェ!おま…お前! 大体お前がそんな…この…お、おらぁあああ!!」
傍から見れば、手刀の痛みに悶える少女と語彙力が喪失してもはや勢いだけになっている男。
明らかにヤバい光景である。
「ホントにお前さぁ!?これ…壁…ちょ、どう説明すんだよ!」
「あーもー!原○じゃなぜか雷○将軍じゃなくてディ○ックの旦那が出るし!デモ○ズドライバーはバイ○タンプが塗装割れしてるし本体の液晶に傷入ってるし!」
「お前…!…お前のせいで割と大変だったんだぞ!なんだその姿は!早う元に戻れ!」
「うぅ…だからそれが無理なんだよぉ…!あと後半は作者の愚痴……」
なんだと?元に戻れないとな。
「つまり…どういう事だってばよ?」
「ええと───」
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ナノが説明した内容を簡単にまとめると、つまりこういうことらしい。
まず、人間の姿になっているのはどの属性にも属さない──つまり、魔力があれば誰にでも使える──[無色魔法]の《擬態》と《変形》を応用した、言わば”変身”の
これの欠点は魔力の燃費がクソであることで、ネズミ等の単純な生き物はまだしも、人間などの高度な生物になると莫大な量の魔力が必要になる。
極めつけはこの魔法、トラン○フォーマーのようにポンポンと元に戻れる訳ではない…まさに一方通行な魔法である。
そのため、人間に変身した時点で魔力がほぼ吹き飛び、元に戻れない。
ということだ。
「うーん…クソ。」
「う……」
「で?どれくらいで元に戻れんの?」
「多分…戻れる望みは低い…と思う。」
……は?
「え…?いや、なん?」
「この魔法って…そのー…
こんな幼女が俺の家を出入りしているのとか、俺と一緒にいるのが見られたら確実に隠し子案件だ…!いや、最悪誘拐犯扱いだな…(絶望)
「めーすけがルナに変身してる時はボクも元に戻ると思うけど…普段はこの姿になっちゃうね…。」
これ、アレだ。八方塞がりってやつだ。
「とにかく、お前を誰かに見られたら面倒な事になる。なるべく人目に着かないように──」
『灰島氏ー!こっちにいるんでござるかー!?アイドルの熱愛報道並にヤバスな物発見したでござるー!』
少し遠くから廊下に反響して聞こえてくる声。
この口調は間違いなく御託のものだ。
あはは〜フラグ回収だ〜。はや〜い。
……御託ゥーーッ!!!
なんでこんなお手本のように現れるんだクソが!しかもなんだアイドルの熱愛報道並にヤバスな物って!ちょっと気になるじゃねーか!
こうなったら窓から脱出を──
『ざわ…ざわざわ』
ちくしょう!人がいる!
流石は指定危険区域、なんかあっても直ぐに元の日常に戻りやがる!
これ俺知ってる!四面楚歌ってやつだ!
『おーい灰島氏〜!』
こうしている間にも刻一刻と時間は過ぎ、御託は近付いてくる。
さあどうする。だんだんと大きくなってくる足音、普段はなんとも思わないのに今は悪魔の声に聞こえる声。
うん、詰んだ。
「ど、どうするのめーすけ…。」
「まぁ落ち着け、落ち着いて素数を数えるんだ。」
素数とは1と自分の数でしか割れない数字の事である(教師面)
さあみんなも一緒に数えてみよう。
2,3,5,7,13,17,19…
「ちょっと!なに
ナノの声で一気に現実に引き戻される俺。
「なんだよ…あともう少しで天国に到達出来そうだったのに…」
「現実逃避するのは通帳の預金残高見た時だけにしてよ!」
「えぇい黙れ!あんなん見たら誰だってトブわ!」
「そんな事よりももう来るよ!」
『…? 灰島氏、ここにいるんでござるか?』
カラ、と音を立てる扉。
さあどうする。考えろ俺…考えろ、この状況を打破する策を……。
その時、
このワンチャン誘拐犯扱いされる絶望的状況を突破するため俺の(自称)IQ53万の脳内CPUが弾き出した最善の策は…!
「何か…思いついたの?」
「あぁ思いついた。この状況を打破する最善の策をな…」
「それは…いったい…?」
「それは……」
「次回に続く!」
「次回の自分に投げたぁ!?」
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