第3話 カツサンドっておいしいよね

PM8:30 森ケ山第一高校職員室


「ふぁぁ……ふぅ」


なんて言いながら伸びをする俺。授業って疲れるしまず教師って仕事がブラックだよなぁ……楽しいところもあるが。


最終下校時間を過ぎ、生徒は既にいない。


ちなみにナノは4時間目辺りにステルスしながら帰ってきた。

でそれからは腕のブレスレットの中でぐっすりである。


腕のブレスレットはナノの魔力で出来ており、中に入ることが出来るらしい。


見た目は……色んな種類の紫のブロックが透明な細いゴムっぽいので連結しており、上側には小さめな青いビー玉みたいなものがはめられている。


あと今しれっと魔力と言ったが、通常の人間、動物には魔力はないし当然魔法も使えない。

俺も今の変身してない状況では使える魔法はごく少数である。


しかしよく寝ている。それだけ疲れたのか……後でちゅー〇3本くらいあげますかね。


「さて、小テストの採点終わりっと。」


そろそろ帰るとしますか。


「失礼しまーす」


「おー。おつかれ」


あの人は確か技術科の「冴縄和希さえなわかずき」……だったか。


俺より若くてモテていい人で……

ちくしょう!イケメンは嫌いだ!


…………………………………………………………

PM9:00 東京都 スカイツリー頂上 地上634m上空


「絶景……だな。」


カツサンドをほおばりながらどうもルナです。


スカイツリーのてっぺんとなると流石に風が強いし寒いな。


『うみゅう……』


「お。起きたか?」


『うん……おはニ”ャ”ア”!!??』


ブレスレットから出てくるなり叫ぶナノ。

耳元で叫ぶなうるせぇ。ただえさえ聴力が爆上がりしてるってのに。


「目、覚めたか?〇ゅーるいる?」


『わぁ、くれるの?……じゃなくて!なんでこんなところにいるの!?』


ふむ。良い質問だね。(池〇彰風)


「これ、見てみ」


『?』


ナノに見せたのはSNSの画面。


「すげぇだろ?ちょっとそこら辺飛んだだけでこれだ。」


『これ……は……』


SNSの画面には

[ルナ、東京都上空に出現]♡2505 コメント 350

[ルナが手を振ってくれたよぉぉぉ]♡5000 コメント 328

[踏まれたい……]♡6237 コメント256

[罵られたい……]♡5669 コメント 365


など、写真付きで呟かれ、凄まじい勢いでイイネやらコメントやらがされていく様子が写っている。最後らへんのはなんだ。


「#東京都ルナ出現 ってトレンド入りしてるぜ(笑)」


「お祭り騒ぎになりだしたからここまで逃げてきた。」


『な……な……な……』


「ん?」


『何してんのーー!!!』


叫ぶナノ。


だからうるせーっての。


『写真撮られてるのは良いよ!?なんでこんなバズってんの!』


まくし立てるナノ。キャラ忘れてね?


「そりゃぁやっぱり私が美しいからでしょうなぁ」


『自信たっぷりに言わないで!あとしれっと手振ってんのなんなの!』


「いやだって手振ってって言われたし……」


『だからってさぁ!MAGIC・BUSTERSに捕まっちゃうにゃあ!』


よし……逃げるか。


「やっと見つけたわよ!"幻想"のルナ!」


ファッ!?


ここであの正体不明の輩にちょっとナイスと思ったのはナイショだ。


……………………………………………………………

ちなみに魔法少女に変身するとその恩恵で五感全ての能力がベースの能力値の10倍となります。


カツサンドはさぼてんってところのがおいしいですね。こんなご時世なのでお持ち帰りで一度買って食べてみては。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る