2024年7月16日 佳作(1作品)

   

 7月も半ばを過ぎましたね。

 今日も夕方ひとつ発表がありました。



2024年7月16日 佳作(1作品)

「エブリスタ」新星ファンタジーコンテスト第18回「チートなし異世界転生」

(2作品応募)




 発表予定の記載が「7月中旬」となっていたコンテストです。よほどのことがない限り発表は平日でしょうし、そうなると「7月中旬」に相当するのは今週の金曜日までだけ。私が応募中の「エブリスタ」のコンテストだけでも「7月中旬」予定は2つあり、そのうち片方は水曜日発表が恒例のコンテストなので、残りは火曜か木曜か金曜のはず。

 だから今日あたり発表があってもおかしくないな、と思っていました。予想通り、今日ひとつ発表があったわけですが……。

 そんな「エブリスタ」新星ファンタジーコンテスト第18回「チートなし異世界転生」にて、2作品応募したうちの片方が「佳作」をいただきました!


 新星ファンタジーコンテストでは、2022年9月の第7回「料理/グルメ」で佳作、2023年3月の第10回「スローライフ」で入賞に選ばれているので、3回目の受賞となります。文字数上限はないので短編だけでなく長編も応募できるコンテストであり、以前は約9,000文字の短編だったり、長編だけど連載中でまだ約3万4千文字だったりの受賞。今回は約34万文字の完結済み長編で佳作をいただいたので、きちんとした長編がコンテスト受賞というのは、初めての経験ですね。


 今回のコンテストはテーマが「チートなし異世界転生」となっていましたが、この『チートなし』というのがちょっとしたポイント。

 応募要項の時点で例として書かれていたのが「スキルも何もない状態で異世界転生させられてしまった」だったり「正真正銘のはずれスキル一つで異世界転生」だったりなので、どうやら「チート能力が与えられていない」という意味らしい。つまり特殊能力なしで主人公が多少チートっぽい活躍をしても大丈夫……?

 実際、結果発表の総評みたいな部分では、冒頭で、


>チート能力禁止で、ではどうやって個性を出し、読ませるか。


>王道は前世で得た経験と知識だ。


 と書かれていたので、前世知識で活躍するならばOKだったのですよね。人によっては「前世知識で活躍」というのは「知識チート」としてチート系に分類するのでしょうが、むしろその方向性こそが求められていたコンテストのようです。

 応募の時点で私はそのように解釈して「前世知識でがんばる」という物語を応募。見事「佳作」をいただけたわけです。

 まあ『「前世知識でがんばる」という物語』という書き方だと少し漠然としていますが、具体的には私の代表作である『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』のことです。


 私は『烏川 ハル』というペンネームで活動し始める前に、自分の個人サイトでオリジナルの推理小説を公開していたことや、二次創作小説の投稿サイトに二次創作小説を投稿していたことはありますが、オリジナル小説を投稿サイトに投稿するようになったのは『烏川 ハル』と名乗り始めた時点であり、その第一作目がこの『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』でした。

 いわば私の処女作です。

 逆に言えば、わざわざ新しいペンネームで、今までとは異なるタイプの投稿サイトに登録したのは、この作品を書いて世に出したかったからこそ。

 時々「私の夢は書籍化作家になること」みたいに言うこともありますが、厳密には少し違っていて、この作品を書籍化することが私の夢。だから、もしも新しく書いた作品で書籍化デビューできたとしても、それは嬉しいけれど「夢が叶った!」とは思えない。この作品の書籍化でなければ、本当の夢の実現にはならない。

 ……というくらいに、思い入れの強い作品でした。


 そんな作品が今回コンテストで受賞できたことは、とても嬉しいです。ただし、あくまでも「嬉しい」という気持ちの問題であり、夢の実現とは無関係どころか、むしろ反対向きかもしれません。


 実は応募する段階で、ちょっと悩んでしまったのですよね。

「コンテストで受賞できれば『評価された』という意味では嬉しいけれど、でも『受賞作品』となってしまえば、もう他のコンテストには応募できなくなる。書籍化コンテストを介して夢の実現に向かうことを考えるならば、書籍化とは無関係なコンテストで下手に受賞するのは、むしろ自分から夢を断念させることにならないか?」と。

 そう、この新星ファンタジーコンテストは、書籍化とは無関係なコンテスト。ちょっとしたイベントみたいなコンテストなわけです。

 このような「受賞できたら嬉しいけれど困る」みたいな考え方も「受賞できたら」を考える以上「取らぬ狸の皮算用」の一種でしょうか。私もずいぶん傲慢な考え方をするようになりましたね。

 でも新星ファンタジーコンテストは以前に「佳作」や「入賞」をいただいた実績もありますし、ならば受賞できる可能性も他のコンテストよりは高いだろう、と思っていました。

 そして先ほどの「困る」の部分に関して、さらに考えていくと……。

 書籍化とは無関係なコンテストでありながらも、「エブリスタ」サイト内の書籍化告知で「新星ファンタジーコンテスト大賞受賞作!」みたいな謳い文句は見たこともあるので、大賞などから拾い上げされるケースはあるっぽい。受賞作品として箔がつけば、一般の投稿作品よりは拾い上げの可能性も高くなるのかもしれない。

 ならば「大賞」受賞を夢見て応募してみようか。

 また、もしも「佳作」受賞で今後カクヨムコンやネット小説大賞などの書籍化コンテストに応募できなくなるとしても、どうせそれらの書籍化コンテストで私が受賞できるはずもないし、現実的には問題ない。「エブリスタ」内の書籍化コンテストの応募規約を読むと『エブリスタ内の公式コンテスト、他社サービス等で受賞歴、書籍化予定がない作品』のところに『ただし、受賞歴のある作品についても、出版歴・書籍化予定がなければ応募可です』と付記されているので、新星ファンタジーコンテストみたいな「書籍化とは無関係なコンテスト」で受賞しても「エブリスタ」内の書籍化コンテストならば応募できる。その場合、作品ページに『受賞』マークが付いたままの応募になるので、「エブリスタ」内で応募するならば、プラスにはなってもマイナスにはならないはず……?


 ……というように、色々と考えて応募したところ。

 見事「佳作」を受賞できたわけです。

 さすがに「大賞」は無理でしたね。『「大賞」受賞を夢見て』は、やっぱり夢で終わりました。

 コンテストとしては「大賞」だけでなく「準大賞」「入賞」までは賞金や賞品がもらえて、「佳作」はそれらがなくて選評のみ。

 賞金や賞品と比べたら、選評なんて形のないものですが、でも私たちアマチュア作家にしてみれば、プロの書評家から選評がいただける機会なんて滅多にありませんからね。その意味では「佳作」でもありがたい話。

 ちなみに、私が今回いただいた選評を引用すると……。


>ウイルスの研究者が異世界に転生し、現世での知識を生かした治療師として町の診療所で働きながら、白魔法士としてダンジョンにも潜る、という二足のわらじ生活。転生前の科学と、転生先での魔法というふたつの技術を摺合せることで、問題を解決していく、ロジックと蘊蓄を読ませる、良い意味で頭でっかちな冒険譚。若干ハーレムっぽいパーティ構成ではあるが、「過大評価され、期待されて、失望され」がちという主人公のトラウマも物語に効果的に使われている。


 特に嬉しいのは『ロジックと蘊蓄を読ませる、良い意味で頭でっかちな冒険譚』と『「過大評価され、期待されて、失望され」がちという主人公のトラウマも物語に効果的に使われている』というお言葉。

 そう、この作品は『ロジックと蘊蓄』だったり『良い意味で頭でっかち』だったりがアピールポイントなのですよね。その点が、他の異世界転生ものとは違う、この作品のオリジナリティのはず。そこを認めていただけた、という気分です。

 また『主人公のトラウマも物語に効果的に』という話ですが……。最も「効果的に」出てくるのはラストバトルの辺りなのですが、もしかすると最後まで読んでくださったのでしょうか。

 応募要項では、一応「20,000文字までの内容で選考」となっているのですが「エブリスタで『〇〇文字までの内容で選考』と書かれたコンテストの場合、選評はその先まで読んで書いているっぽい」というのは、他の受賞者のかたから聞いたことがありますし、私が約3万4千文字まで書き進めた連載中作品で「入賞」をいただいた時も2万文字止まりでなくその時点の最後まで読んでくださった感じでした。

 でも今回は約34万文字ですからね! これを最後まで読んでいただけたのであれば、本当に凄いこと。さすがプロの書評家ですね。

 いずれにせよ、きちんと読んでもらえたのが明らかな選評でした。こんな選評がいただけるだけでも「佳作」受賞は本当に素敵な出来事でした!



 以上、今回はちょっとしたエッセイみたいな感じで、本当に長くなりましたが……。

 これで私が現在応募中のコンテストは、以下のようになりました。




2024年7月中旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第221回「歌う」

(3作品応募)


2024年7月中旬予定

「NOVEL DAYS」三題噺バトル 第11回お題「念力」「ペンギン」「残業」

(1作品応募)


2024年7月下旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第222回「のびる」

(2作品応募)


2024年8月中旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第223回「パニック」

(4作品応募)


2024年8月頃予定(中間選考)

「カクヨム」第6回ドラゴンノベルス小説コンテスト

(1作品応募)


2024年9月上旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第224回「黒」

(3作品応募)


2024年9月中旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第225回「雨上がり」

(2作品応募)


2024年10月上旬予定

「エブリスタ」超・妄想コンテスト第226回「届けたい○○」

(2作品応募)


2024年10月下旬予定(一次選考)

「小説家になろう」第12回ネット小説大賞

(217作品応募)


2024年11月中旬予定

「エブリスタ」新星ファンタジーコンテスト第20回「ダーク/アンチヒーロー」

(1作品応募)


2025年1月予定(中間選考)

「エブリスタ」HJ文庫&HJノベルスWeb小説コンテスト

(1作品応募)




 応募作品数だけ増えたコンテストは、今回も「小説家になろう」第12回ネット小説大賞。1作品を追加して、全部で217作品の応募になりました。

 応募コンテストそのものの追加も1つあり、「エブリスタ」HJ文庫&HJノベルスWeb小説コンテストに1作品応募しています。

 発表で1つ減った分と相殺する形となり、結果待ちは全部で11コンテストのままです。

   

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