夢物語がおわるとき

作者 夢叶

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★★★ Excellent!!!

 本作に登場する「すみれ」は小説家。デビュー以来、ずっと第一線で活躍しているまさに天才作家です。
 すみれの小説のアイディアはどこから来るのか。ヒット作連発の源泉はどこにあるのか。実はそれは、彼女が見る「夢」にあったのです。
 そしてすみれの小説が38冊を数えた時。とある事故が起こるのですが──。

 ◆

 カクヨム甲子園に出品されているこの作品、作者さんは高校生だそうです。でも私はこの作品を読み終えて、面白い小説に作者の年なんて関係ないんだな、と改めて思いました。
 この作品の強いフック、密度、構成、語彙、そしてリーダビリティ。どれを取っても「凄い」の一言!
 どのあたりがどう凄いのか、読めばわかると思います。素直にオススメできる作品を、是非体験してみて下さい!
 

★★★ Excellent!!!

夢と聞いて、思い浮かべるものは主に二つあります。
期待や希望で彩られた美しいもの。そして、眠っているときに見える幻覚です。心の奥底に秘めた願望が作り上げる、現実とは異なる世界へ誘う扉。
本作の主人公・すみれは、見た夢を小説に書くことでヒットを連発していました。

現実ではない世界で見た夢を語ることにより、高まっていく称賛の声。
掴み取った地位が実力ではないと悩みつつも、手放すことを恐れる気持ちの方が強くて板挟みになる。そんなすみれの心情描写に引き込まれます。

いつしか夢の中で見た光景と、現実世界が交差していき――
虚構であるはずの出来事が真実味を帯びるとき、すみれが見る夢の行方はどうなるのか。

高校生の作者さまが紡ぐのは、ホラーのジャンルにふさわしい恐怖と妖しさに満ちた世界。みずみずしい文章表現にも魅せられてください。