第65話ダンジョンは屑な冒険者でいっぱいでした。

ボクたちは町を出て、ダンジョンにの場所に着くと、入り口には階層ボスを倒して転移してきたパーティーで混雑していた。


ここがダンジョンかぁ、異世界の不思議の一つだよねぇ


☆ダンジョンは人が沢山入るとどんどん成長する

☆成長すればドロップする品もレア度、量が増え、階層も増える


だから当然もめごとも多い、ダンジョン内は全て自己責任


弱小パーティーがレアなドロップ品を手にすると奪われることが多い


だから協力や情報共有などない


ダンジョンを攻略するパーティーは男性パーティーと女性パーティーにはっきりわかれる


男女の混成パーティーはいない。

理由はパーティー規模が最低でも6人以上になるからだ。


ダンジョン内ではストレスが溜まり安く、男性パーティーが女性を襲う何て事は頻繁に起こる。


だから女性パーティーは、そういう対策の魔道具を絶えず持って、ダンジョンに挑んでいく。


男達のいやらしい視線を感じて、

ポルムはダンジョンに着くと、大人しくなりずっとボクの手を握っている


さすがにこれだけの冒険者がいると怖いよね、当然絡んでくるバカもいる


「おや可愛いお嬢さん、二人だけだと危険だよ、俺たち全員Dランクで大丈夫だからこっちにおいで!」


何言ってるのこいつ男6人、しかもみんなボクとポルムを舐めまわすように見て来るし


「やかましい!この子達は俺たちブラックナイトが目をつけてたんだよ!

新参者のランクDは向こうへ行け!」


バカが増えた。


『ライム達こいつらの魔力見てくれる』


ピキ『この入り口にいる人間はみんな魔力弱い一人ではDランク魔物倒せないの』


確かダンジョン攻略は最低でも6人くらいいないと難しいって言って気がする


ピキ『マスターこいつら、この前マスターを蹴った男達のパーティーなの』


なるほど、あいつらかぁ…

とりあえず断るとして、ダンジョンに入ったら注意した方がいいね


ボクは男達の誘いを断った。


「ボク達は3層くらいしか行かないから、大丈夫です。」


その後も食い下がるも断り続けやっと諦める


他のパーティーからも誘われるが全て断った。


さすがに、男達のボクたちを見る目が変わる

まるで獲物を見つめる目だ


ポルムもそれを感じて、すっかり大人しくなりボクの手を強く握り、絶対離さないって感じが伝わってくる


ボクは耳元で小声で話す


『ポルムお姉さま、ダンジョンに入ったらあいつらボク達を狙ってくるから、絶対手を離さないで』


ポルムは激しく頷く


アハハ可愛い♪


その後男達は、ダンジョンに入って行きボク達も前のパーティーが入口に入って暫くしてからダンジョンに入った。


空間が歪み外と明らかに魔素が変わったのを感じる


さあ冒険者の定番ダンジョン攻略だ!

ボクはワクワクする気持ちを抑えて、周りを警戒しライム達に命令をする


『ライム達は、まずボク達に気配遮断と認識阻害する魔法をかけて、すぐに魔力探知で男達と魔物を探ってくれる』


ピキ『魔力探知するの』

ピキ『気配遮断任せるの』

ピキ『認識阻害かけたの』

ピキ『魔物見つけたの』


1階層はイエローマウス弱毒性の魔物だ。動きもそんなに早くなく、毒も冒険者にはほとんど効かない


ダンジョンで唯一単独で倒せる魔物だ。


ボクはスライム達に作戦を伝える

『みんなこのダンジョン攻略はポルムのレベル上げが一番の目標だから』


ポルムはまだ怖いのかボクの手を離そうとしない


『ポルムこの階層の魔物は弱いから一緒に倒す?』


『嫌よ!人間の匂いするのに襲われたらどうするのじゃ!ミレイから離れないのじゃ!』


はいはい

まぁその方がいいけどね

ボクはみんなに、このまま男達を警戒しながら、5階層を目指す事を告げる


『みんな一応あいつら警戒しながら、5階層目指すからね。

ポルムお姉さまは、全ての攻撃に何でもいいから魔力をつかって』


『何でもいいの?』


『何でも、魔力を広げる探知でもいいしとにかく参加する事なの』


ボクたちは、打ち合わせ通り順調に進み4階層まで来た。

ここまで倒した魔物はイエローマウス、ダンジョンゴブリン、など計50匹だ


まだポルムのレベルは上がらない


ボクたちは、4階層の安全地帯で少し休憩をすることにした。


ピキ『男たちを感知したの』


よし!ボクはみんなに合図を送った。


☆・☆・☆

ミレイ達の前方で待ち構える屑Aパーティー

「あいつらより先に見つけたぞ!」

「あの可愛いガキなら、成人したらいい女になるぜ!それまで調教してやるぜ」


屑パーティーは、先にミレイたちに声をかけたパーティーで、ミレイたちを捕まえて、奴隷商に連れて行き、自分たちの奴隷にするつもりだった。


その後を追うようにゴルトレイ達のパーティーが近寄る



「やっと見つけたぞ!あのガキのせいで俺達は罰金と降格処分を受けたんだ!くそ!」


大木の陰からミレイ達を睨むゴルトレイ


「まあ怒りを鎮めろ、あのガキどもは今から俺達の奴隷になるんだから」


ギャハハ


「確かに、たっぷりと礼儀を教えてやらないとな」


ギャハハ


「毎回思うけどこの階層歩きにくいぜ!」


そうダンジョンは階層ごとに景色が変わる洞窟、草原、森林、砂漠、とさまざまだ。


☆・☆・☆

ミレイ達は、後ろから来るゴルトレイ達と、前で隠れてるパーティーに挟まれているのを、スライム達は察知していた。


ピキ『マスター屑に挟まれた。これ以上進むと仕掛けてくるの』


このままあいつらの思うようにさせるのもなぁ…


そうだ!ボク達小さいから壁になってる茂みの隙間に入ればよくない?

これってさっきから倒してるグリーンキャタピラーの穴だよね、よしライムに聞いてみよ


『ねぇライムこの茂みの隙間って移動できない?』


ピキ『できるの、マスターもポルムも小さく丸くなるのライムが包んで移動するの』


おお!ポルムはボクが命令する前に小さくなって身体を丸めてる

可愛い生まれた赤ちゃんみたい


ボクはポルムを抱きしめ身体を丸める。

ライムは、ボク達を包み少し大きな球体になって、穴に飛び込み移動する


シュン


ザザザ…


空間を自在に操れるミルムが、ボクたちを亜空間に入れる



ライムは、身体を小さくしてとんでもないスピードで移動する


エルムが移動を始める前にグリーンキャタピラーの好みの魔力を通路に置く


ミレイ達を追い詰めたと、思い込んだ男達は、挟み撃ちにした通路に集まる


男達は揉め始めるが、どんどん集まるグリーンキャタピラーに慌てるも、全員で対処し切り抜ける


しかし男達は、この時体力も魔力も使い果たしヘロヘロだった。


そこに、少し先の通路の壁から突然現れたミレイ達に驚くも、ミレイ達がかなり疲れて歩いてるのを見て、男達は立ち上がる


ゴルトレイが全員に命令する


「ここは、全員で協力してあのガキどもを捕まえるぞ!後は全員で楽しめばいいだろ」


男達は、下衆なわらいをしながらノロノロと追いかける


ミレイ達は、それを確認して動き始め、キャタピラーの集まる部屋に誘導する


そうミレイは、小さい規模のモンスターハウスを作るために、キャタピラーを集めたのだ。


麻痺させるイエローキャタピラー

毒を持つパープルキャタピラー

HPを吸いとるグリーンキャタピラー


部屋には、数十のキャタピラーがいる。

ライムが、部屋の入口から奥の壁まで、中央にチューブ状の障壁を張っていた。


トンネル障壁の中を、ミレイは、ポルムを抱き抱えながらわざとノロノロと歩く、男達はニヤニヤしながら後を追いかける


トンネル障壁は、当然外は見えなくされていて何も知らない男達は完全に誘い込まれる


「あれここ行き止まりなの、戻らないと、あれ?あなた達何でいるですか?」


ミレイのわざとらしい演技は、男達に疑問をもたせるものだったが、ポルムがほんとに怖がり、男達の欲情を煽る


「嫌あー来ないでぇー!ポルムはまだ子供なのじゃー」


その叫びを聞いて、男達は捕まえようと駆け出す。


ミレイ達は小さく丸まりライムに包まれ壁の穴に消える。


男達は一瞬の出来事に、唖然となり暫くして騒ぎだす。


しかしその時には、トンネル障壁も解除され男達は、完全にキャタピラーのモンスターハウスの中にいる事に気がつく


「おい!この部屋やべえーぞ!」

「キャタピラーだらけじゃねぇか!」

「イエローにヤバい!パープルもいるぞ!」


男達は、騒ぎだすも部屋の入口はキャタピラーにふさがれている。

疲れはて魔力も乏しい状態の男達にこの状況を切り抜ける手段はなかった…


男達の叫び声がダンジョン内に響き、やがて消えていった。


ミレイ達は、4階層を抜け目標の5階層で、ひたすらダンジョンバッファローを狩って、ドロップ品を回収していた。


「牛さん発見なのじゃー!落とし穴じゃ!」


ボコボコボコ


ザクザク

ドスン


「やったのじゃー!またポルムが仕留めたのじゃー!」


ポルムはレベルが上がると罠の規模が格段に変わった。

今は刺付きの落とし穴で、バッファローを仕留めまくっている


硬い角と吐きかける唾液しか、危険のないバッファローは、一直線にミレイ達に向かってくるから、ポルムの罠攻撃にはドハマリしている


「ねぇポルムお姉さま、そろそろボス部屋に行こうよ」


「まだまだなのじゃー!レベルを上げてもっと罠を強くするのじゃー」


でもこれっておかしくない?

いくらダンジョンは魔物わくからと言っても、こんなに次々集まってくる?


それにポルムよく魔力もつよね、何で?


ピキ『ここは魔物が湧きやすい長い通路の先にあるの。

マスターの美味しい魔力もあるからすぐに集まるの』


なるほどねぇ


『じゃポルムの魔力が切れないのは?』


ピキ『魔力はパルム達が送ってるの』


えーー!じゃこの状態ってほぼ無限ループ?

パルム達が交代で魔力渡して、休んでたら魔力回復するんだし、経験値も全員に入る…


バッファローって、いくらレベル低いとはいえ数を倒せばレベル上がるよね、でもいい加減に飽きた。


そろそろボスに行きたい

あ!そうだ


『ねぇミルムボス倒して戻る転移使わないで先に進んでそこからまたボス部屋の前に転移できない?』


ピキ『たぶんできるの、ただダンジョンは変わるから同じ階層のどこかになるの』


『それだ!』


ボクはポルムにやめるように言って、これからの作戦を伝えた。


『ボス部屋階層ループ作戦』


階層ボスを倒して先に進む、ミルムの転移で再び5階層に転移、再びボス部屋目指す


「それ楽しいのじゃー!」


『じゃみんなそれで行くよぉー!』


ピキ『なのぉー!』

ピキ『バンするのぉー』

ピキ『やるのぉー』

ピキ『のぉー』


ボクたちは調子にのって、ダンジョン内に留まり続けた。

ギルドが大騒ぎになってるなど知らず……





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