第133話 今度の日曜日、こっちに来るんだって
「そういえば、君、今度の日曜日は時間ある?」
朝ごはんを食べながら、死神さんは、僕にそう尋ねました。
「そうですね。特に予定はなかったかと」
「そっか。よかった」
僕の言葉に、死神さんは、ほっとしたような表情を浮かべました。その理由が分からず、僕は首を傾げます。
「前みたいに、一緒にお出かけとかですか?」
僕の脳裏に、あの日の光景がよみがえります。隣町のショッピングモール。その中にあるペットショップ。周りからドン引きされる死神さん。死神さんを引きずってペットショップを出る僕。
「おお。それもいいね。じゃあ、土曜日はお出かけしたい!」
「い、いやいや。別にお出かけするのはいいですけど、先に、日曜日に何があるか教えてください」
「あ、そっか。うっかり」
ニヒヒと笑う死神さん。結婚しても、相変わらずそのマイペースさは健在のようです。
「えっとね。今度の日曜日、こっちに来るんだって」
「……誰が来るんですか?」
「私のパ……お父さん」
…………
…………
…………そう。こういう時こそ冷静に。もしかしたら、聞き間違いかもしれません。
「……今、何て言いました?」
「だから、私のお父さんが、今度の日曜日にこっちに来るんだって。君とお話ししたいらしいよ。何の話なんだろね?」
…………あ、殺される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます