第24話『大自然』

大空は実に良く晴れていた


城山の杉の木の下の道に沿って

川が静かに流れている


この美しい自然の中へ

一枚の木の葉を投げると

木の葉は隙間も無い程密生した

木の葉の群れに変わる


毎日退屈な月日が流れ

何となく感傷的になってしまう


夕陽が淋しくそして淡く

鉄窓を照らしている


厳しい人生の試練に耐え

送る少年院の生活は

人間としての堕落であり

偽りなのだろう


自然の脅威から

どんなことがあっても

救われないように


俺達の人生も

二度と戻りはしないのだろうか


丹精を込めて咲かせた

ベゴニアの白い花は

退屈な月日の中に色を添える


心の傷も今癒えようとしている


巨大な自然は知らず知らずの内に

俺の心を綺麗に

洗い変えてくれるような気がした









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『prisoner』 りゅうき @ryuki0316

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