ベッド問題

 初日、そう何事もはじめが肝心

朝から頑張って朝食をつくる!

森田さんは、仕事部屋チックな部屋で寝たようだったが、私の部屋と言われた方のベッドは大きい。

もしや、森田さんベッド無かった?!


朝からカチャカチャかなりのタイプスピードでキーボードを打つ音。PC系実はめちゃくちゃ得意?だとしたら得意げに教えていた自分が恥ずかしい......。


「おはようございます」

わあ 血色わるっ 低血圧かな


「おはようございます。朝ごはん出来ました」

「あ ありがとうございます」


「あの、森田さんどこで寝ました?部屋にベッドあるんですか?」

「........な 無いです」

「えっ、すいませんっ私。占領しました」

「あ、いえ。ソファか何か買います」

「だめです!」

「はい?」

「しっかり寝ないと癒やされませんよ。疲れも」

「は、はあ」

「............」

で、どうするんだ。駄目ですとは勢いよく言ったものの。

「とりあえず私考えます。夜まで」

「あ、はい。」


「今日、土曜日ですけどお仕事ですか?」

「はい。あ、明日はたぶん休みです」


「いってらっしゃいのまえに、はい」

私は森田さんにくっついた。抱きしめた。

あの事件の時、森田さんは私に抱きしめていいですか?落ち着くと思います。って言った。

きっと森田さんは、抱きしめられたら落ち着くんだ。


椅子に座ったままの森田さんは私に包まれてフォーク片手に固まる。あ、まだ食べてたんですね。

あ、異性を感じないあまりに私は小さくはない大きくもないこの胸に森田さんのお顔を気にせず......ぽよんっと.....。


「すいません。まだ食べ終わってないのに....」

「あ、いや あ、大変 癒やされます」


『君にこうされると幸せ』

て言ったのかな。

「じゃ。毎朝 かしこまりました」

私はなんだ、メイドかなんかみたいに.....方向性を見直すべきだな。


森田さんが出勤してから私は癒し、セロトニンやらを調べる。


セロトニンはしあわせホルモン

日光浴、朝食、適度な運動、バナナもいい、ブドウ糖

そして、スキンシップ......


セロトニンが不足すると、不安性や....

あっ不安性?

睡眠不足が生じ.....

森田さん眠れてるのかな.....


よし、これらを徹底しよう!

私はけっこう真面目なタイプかもしれない。


森田さんの帰宅後


「おかえりなさい。ご飯できてますよ。あ!どうしたんですか、それ」

森田さんの口の端っこが切れたみたいで、赤紫に。


「いや、これはただの怪我です。ぶつけて か 壁に」

ただの....怪我.....。見たら分かります......殴られ傷だと。壁、森田さんなら壁に誤って激突しそうな気もしないでもないけど。


「冷やして軟膏塗りましょ」

森田さんの唇に氷枕をあてた。オドオドする彼の顔がすぐ近くにある。

そうだっ。

「森田さん 夜って眠れてますか?」

「あぁ いいえ」

やっぱり......


「私と寝たらよく眠れるかも。私、体温高いから暑いかもしれませんが」

あ、森田さん停止した。


............。


その夜、さすがに言い出しっぺの私もドキドキする。

ここは、一杯お酒をひっかけるとしますか。


「あ、あの森田さん」

「あ、ははい。真琴さん!」

「はい!」

なになに、急に大きめの声でびっくりするし

「お お酒のみます?焼酎、麦ですけど」

あ、すごい森田さんと、以心伝心。

「はい!」


いい具合でホワホワし、歯磨きしトイレも行き、私達はベッドへ。

森田さん、眠れたらいいなぁ。

そう、私は全く警戒していないのでした。


ベッドでは、完全に棒のように真っ直ぐ真上を向いている森田さん.....絶対寝れないでしょ、それ。

「森田さん、頭上げてください」

私は森田さんの頭の下に唯一の枕を入れた。

「あ、真琴さん、枕無い.....」

「大丈夫です」

「.....じゃ....どうぞ」

森田さんはゆっくりと左腕を伸ばした


腕枕.......?


『ほら ここおいで』 

はいっ。じゃお言葉に甘えて失礼します。


こりゃ私が癒やされてる.....

ちょっとイケメン顔が見たくて目線を上げたら、バッチリ目が合った.... やばい。かっこいい.....黙ってたらね。


おやすみなさい。森田さん、眠れますように。

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