第12話 エピローグ
2012年 7月3日。
俺たちは夏の暑い日差しに当たりながら散歩をして今から公園で
俺は
60歳、嫁と娘と弟子の四人ぐらし。
幸せな家庭を持つ一家の大黒柱。
俺は休暇の日を使い家族サービスとやらに勤しんでいた。
公園でまったりピクニック、俺は日々の幸せに感謝しながらサンドイッチを頬張る。
「やっぱりサンドイッチは卵が一番だな」
ボソリと感想をつぶやくと嬉しそうに嫁が笑う。
「あんた卵しか食べてないじゃない」
「美味しいからな。お前の愛情を感じるよ」
すると弟子1号ルスペルカが言う。
「私まだ卵サンド食べてないんだけど!!」
「うえーん!! おとうちゃんが卵食べた!!」
7才になるリンが泣きじゃくる。
うーん、少し悪いことをしたな。
「じゃあ今から俺の胃袋から取り出す。待ってろ全部食わせてやるからな」
俺は口の中に手を突っ込んで取り出そうと演技する。
それを見た嫁のルナは俺の頭をぶん殴る。
しかしルナは逆に俺の鋼鉄のような頭を叩いて自分の拳を痛めてしまった。
「あんた頭硬すぎ」
「これがベルフェゴールの力だ」
するとルスペルカはメモをとる。
「師匠の頭は硬すぎるから殴るのはダメっと」
「ルスペルカはこんな人の真似しないでね。あなたはこの一家の大事な子供なんだから」
そう、ルスペルカはこちら側の世界に来て俺の弟子をやっている。
今では立派なクローザーになっていた。
ボサボサだった髪を綺麗にしてメイクもバッチリ。
あの子供の時のルスペルカとは見違えるほどにきれいになっている。
子供っぽさも薄くなりオトナな雰囲気を醸し出している。
「なります!! 私は師匠の弟子ですから」
ルスペルカは大きな声で宣言する。
するとルナはため息を1つする。
ルナは本当にルスペルカのことを愛している。
俺も同じく愛しているがいつも危険な仕事ばかりしている俺の姿を見てきたから俺のようにはなってほしくないようだ。
すると俺の娘のリンが俺のコートを引っ張る。
「どうしたリン?」
「おとうちゃんアイスクリームが食べたい」
急にそんな事を言ってきた。
この辺にアイスクリーム屋さんあったかな?
俺はぐるりと一周見渡す。
すると道路にアイスクリーム屋のトレーラーが止まっていた。
あれを見て言ったのか。
「じゃあ買いに行こうか」
俺は立ち上がろとしたがルナがそれを止めて耳打ちをする。
「リンはもう7才よ。そろそろ自分で買わせてみたらどう?」
「確かに」
俺はリンに500円玉を渡す。
「リン、1人で買ってきなさい」
「リンが1人で?」
「そうだ」
するとリンは大声で泣き始める。
ま、まだ早かったか?!
しまったなリンは泣き虫で泣き止ますのが大変だ。
どうしたものか?
そこで俺はルスペルカの方を見て目で合図する。
それを察したルスペルカはリンの手を握る。
「お姉ちゃんと一緒に行こう」
「行ってくれるの?」
「うん!! お姉ちゃんと一緒ならリンも怖くないよね」
「うん、じゃあ行く」
リンはルスペルカとともにアイスクリーム屋に行った。
初めてのおつかいだ。
頑張れリン。
俺はルナと一緒に公園を眺める。
緑の芝生に吹き渡る風、うん、これが幸せか。
俺はしみじみと思う。
するとルナが話しかける。
「最近ヒューマリライフの仕事がないけど心は休まった?」
ヒューマリライフは組織の名前だ。
組織は規模も大きくなり名前をつけ始めた。
俺はルナに言う。
「ああ、これ以上の幸せはどの世界に行っても見つけられないだろう」
俺はそう思っている。
家族は素晴らしい俺の宝だ。
俺は生涯、この幸せを守っていく。
そう決意していた。
すると俺のポケットに入れていた携帯がブルブルと震える。
嫌な予感がする。
「もしもし黒井だ」
『よう黒井。元気にしてたか?』
電話の主はロドスだった。
嫌な予感的中だ。
ロドスは今や組織の秘密偵察部隊の指揮官だった。
俺は嫌な顔して話す。
「来たのか?」
『ああ来たぜ、大物だ!!』
「はー。俺は今家族サービス中なんだが」
『仕事は仕事だぜ、まあ家族さんのことはスマン。しかしこれはお前にしか閉じられない』
「任務内容を」
『ついに七大罪の潜むブラックホールが現れた。俺の偵察部隊は7人死亡、2人帰還。そして生存者はこう言った。『七大罪、嫉妬のレヴィアタンが現れた』とな』
俺は大きなため息をつく。
そして電話を切る。
「さて仕事の時間だ」
___________________
2章に続く!!
黒渦~扉を閉める者~『最強のおっさんは地球を救うためそのナイフで異世界を無双する』 大天使アルギュロス @reberu7
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