ざ・ちぇんじ☆児童会!?

作者 成井露丸

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★★★ Excellent!!!

食パンを咥えて通学路を走る幸子。今日こそ恋愛イベントを発生させるため、いつもより早く家を出ました。努力の甲斐あって、曲がり角でぶつかることに成功します。相手は、同じ小学校の制服を着た綺麗な女の子。しかも、尻もちをついた幸子に手を差し出すのです。あまりのかっこよさに、幸子と同じように騎士さまと呼びたくなります。

幸子が運命を感じたのは、クラスメイトの織田くん。女の子の恰好の方が落ち着く彼は、女の子の制服で登校してみたかったようなのです。織田くんが希望する服装で登校できるよう担任の先生に相談する幸子ですが、児童会規則では認められていないことを知らされます。

規則を変えるため、児童会役員選挙に挑戦する幸子の姿が力強いです。
ライバルは強敵ばかり。ブレーンのメイちゃんとともに、選挙に勝つための公約を考えていきます。以前は選挙に興味がなかった幸子と、大人しかった織田くんが成長する過程に心躍ります。

当たり前だと受け入れていた日常を、変えていくのは難しいですよね。それでも、幸子達は学校生活をよりよくするために奮闘します。想いがぶつかり合う選挙の結果、どんな未来が待っているのか。手には汗を、目には感動の涙を浮かべながら読み終えることでしょう。

★★★ Excellent!!!

小学六年生の女の子、木春菊幸子が登校中に出会ったのは、とても綺麗な女の子。
綺麗で格好よくてまるで騎士のようなその子の事をとても気に入る木春菊ですが、なんと彼女は同じクラスの男子、織田くんが女装した姿だったのです。
あの素敵な騎士様の姿をもう一度みたい。あの姿で学校に通わせたい。そう思う木春菊ですが、彼女達の通う学校には男子は男子の、女子は女子の制服を着て通わなければならないと言う校則があったのです。

残念ながらここで夢潰えると思いきや、校則が邪魔になるなら、それを変えれば良い。
というわけで、児童会長選挙で当選して校則を変えることを決意する。

織田くんに女子の制服を着せたいから校則を変えるという、この発想が面白いですね。
思い立ったら一直線の木春菊さんや女子男子の織田くん、更には児童会長立候補者のスーパーガール、式部紫(しきぶヴァイオレット)様など、このお話のキャラクターはどれも個性がよく出ていて、とても楽しませてくれました。
この子達ならきっと、素敵な学校を作ってくれるはず。
様々な思いが渦巻く児童会長選挙。小学生の真剣勝負が、ここに開幕です。

★★★ Excellent!!!

木春菊幸子は、素敵な出会いを求める小学6年生の女の子。今日も食パンをくわえながら、通学路を全力疾走しています。
そんな努力の甲斐あって、ついに出会えました、理想の騎士さま。
それは、カッコよくて爽やかで、制服のスカートがとってもよく似合う女の子。元々は素敵な男性と出会えることを期待していたけど、ときめいてしまったのなら、例え相手が女の子だろうと関係ありません。

と思いきや、騎士さまの正体を知って事態は一変。なんと女の子だと思っていた騎士さまは、同じクラスの男子、織田くん。
女の子の服を着るのが好きという彼に、だったら女子の制服を着て学校にくればいいんじゃないかと提案しますが、それにはひとつ問題がありました。
児童会の決める規則には、男子は男子、女子は女子の制服で登校することと決められていたのです。

しかし、これで諦めるなんてことはありません。だったら、児童会に入って規則を変えればいいじゃない。というわけで始まる、幸子と織田くん、それに、親友メイちゃんの選挙活動。
個性豊かなライバル達と戦うため、どんな公約を掲げ、どのようにして想いを伝えるのか。教科書を開くだけでは、決してわからない、選挙の戦い方。当選に向けて、それぞれの奮闘が始まります。

★★★ Excellent!!!

サッチーのキャラや、セリフのやり取りは笑えるコメディでした。
ですが、中身は児童会に取り組むまじめなお話で、何よりも、みんな小学生の青春を楽しんでいました。

サッチーの演説やヴァイオレット様(つい様付けにw)のサプライズに、すごく感動しました。
私が子供の頃にこのお話を読んでいたら、私も児童会役員に立候補したい! と心に誓ったんだろうと思えます。

とても心に響く、すてきなお話でした。