第99話 最凶!

 今度ばかりは、さすがに参った……。


 俺のせいで、世界が滅んでしまったかも知れない。


 首謀者はダルメシアンと、俺の伯父『法外 もとむ』……とは言え、猛毒を詰め込んだ『端末』を破壊し、拡散したのが俺なのは、紛れもない事実だ。


 こんな最凶の罪人が、どのつら下げて祐希さんを助けに行けるって言うんだ……。



「おぅ、かけ坊!」


 ……もとむ伯父さんの声だ。


「……滅んでしまったものをいつまでも悔やんでいても仕方あるまい。 ……これからは、おれとお前と東矩祐希の3人で手を組み……『ダルメシアン』の力で、全宇宙を支配するんだ!」


 …………


 …………俺は、もう考える事も、伯父の言葉にあらがう力も残っていなかった。


「さあ! 東矩とうがね祐希ゆうきを連れ出し、手始めに『特務機関1〇〇ひとまるまる』のメインサーバーの防壁を破壊して、データを根刮ねこそぎ奪い取り……我等1〇1ひとまるひとの手中に収めるのだ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る