第97話 伯父さん!

 ……もとむ伯父さんは、俺の死んだ父のお兄さんだ。 


 伯父さんは、俺がよちよち歩きを始めた頃から、良く家に遊びに来た。 父と良く似ているので『パパ』と呼び間違えると、子供の居ない伯父さんは、その度に笑いながら優しく抱きしめてくれた。


 ……今よりもっと澄んでいたあの頃の俺の瞳は、伯父さんの『真の優しさ』を見抜き、甘えきっていた。 本当に大好きだったんだ。


 父が死んだ時も、落ち着く迄、そばに居てくれて、励ましてくれていた。


 ……そう言えば、何かと負けて幼稚園や小学校から泣きながら家に帰る俺を、叔父さんは、いつもこう言って励ましてくれてたっけ……


「俺には『99%の予知能力』があるから判る! 最後にはお前が勝つ! だから……どんなに辛いことがあっても自分を信じて、諦めるんじゃないぞ!」


 ……あの言葉は、今でも俺の耳に残っている!


 ……うん!


 ……俺は確信した!


 ……あの、優しいもとむ伯父さんが、生命を絶滅させる……なんて、絶対に有り得ない! これには絶対……


 何か、裏がある!

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