第87話 ふ菓子!

 来た……か!


 ……ゆうきちゃんの予想では、こいつらは俺の『ロケート・スティッカー(空間固定)能力』への対抗策を施していると言う。 俺達の勝利確率は……5%未満……。


 とは言え、やるしか無い! 襲われたら、定石通りに『空間固定』して『短針(ニードル)』で各個撃破していくしかない!


「来ました!」……ゆうきちゃんが言った!


 目標視認!


 ! うわっ! でっ! デカくなってる! ……その姿は、もう『ダルメシアン』では無い! ブルドッグだ! ……模様はかたくなにダルメシアンがらだが……。


 ……コホン……まあ……これなら躊躇なくほふれる……か!


 俺は早速『空間固定』して、一番近くにいるブルドッグに、容赦なく短針ニードルを撃ち込んだ!


『ジャッ!』と音がして、ブルドッグがあっという間に消し飛んだ!


 ……? 手応えが……無い……。


 子供の頃に食べた『ふ菓子』に、思いっきり噛み付いた時のようだ。 軽過ぎるっ!


『ドォーン!』……と、爆発音がして、急激にGがかかった! な! 何だあ!?


「本機直下にてダルメシアン端末が爆発! 緊急退避のため急速浮上しました! かけるさん! 急激な圧力上昇、大変申し訳御座いませんでした!」……とゆうきちゃんが言った。


 ……? おかしい! 『メシアン 』← ブルドッグ型ダルメシアンの略 たちは『100%』固定して、動けない筈なのに!


 奴らの上空を旋回して目視したが、間違いなく残り9匹のブルメシアンは固まっている! 


 地雷?


 ……いや……地雷なら、ゆうきちゃんが感知している筈だ。 じゃあ……あの爆発は何だ?


 俺は嫌な予感がした。 ……手品師が『タネ』を見透かされたような、危機感……。


 ……そう……さっき『ゆうきちゃん』が行った通り、奴らは俺の『ロケート・スティッカー能力』の対抗策を施していたのだ!


 ……それは……

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