第48話(10万文字記念短編)

「ここまで行くとは思わなかったな……」 Vオフィス二期生の悪食ノエルとして成功してからもう少しで一年が経とうとしていた。

ふと私は思い出していた。私がこの活動を始めてからのことを……

……………………………………………………

『Vオフィス二期生募集!!』そんな壁紙を見つけたのは私が引っ越す三日前のことだった。Vtuber…… それは普通の配信者とは違い自分が考えた容姿を持つアバターに扮して配信を行なう次世代型の配信活動のやり方だ。私は引っ越す前の親友からVtuberという存在を知った。私が知ってる配信者とは全く違うその配信に私は魅了されていた。 そんな時、『Vオフィス二期生募集!』というチラシを見つけたのだ。私は衝動的に応募していた。特技だってある。人に言うのは恥ずかしいけど…… 多分だがいけるはずだ。私はオーディションの準備を念入りに行った。そして応募してから三日後私はVオフィス本社へと向かっていた。

 

Vオフィス本社に着くと私は秘書さんの案内で会議室のような場所に通された。そして オーディションが始まる…… 

 まずはVtuberになろうとしたきっかけを聞かれた。私は自分の真っ直ぐな気持ちを

審査員の人に伝えた。次に特技だ。私は

ロールプレイングができることが特技としてある。審査員の人にそのことを伝えて私は

ロールプレイングを行った。

 

 『我は!如月乃恵留なのじゃ! 我は強いのじゃよ!」ロールプレイングを始めてからどれくらい経っただろう? 私は審査員さんに向けて一礼をしてこの場を去っていった……


それから一週間後、私は無事、Vオフィス

二期生に受かり、初配信の話し合いに臨んだ。私が遠くに住んでいるからかスマホの

機体を使っての打ち合わせだった。私の同期は天原夜空君かな? それと氷華ヒメナちゃんだ。私は同期との打ち合わせを悪食ノエルになって行なう。そして配信の順番は私が 最初ということが決まった……


そしてきたるお披露目配信当日、私は時間 ぴったりに配信画面を起動した。

「パッパカパーン」そんなBGMが流れ配信の画面に私の分身である悪食ノエルが登場した。私は憑依するように配信を進めた。

「皆のもの! 我は悪食ノエルなのじゃ!」私、いや我はロールプレイングをしながら配信を進めていった。そして配信を始めてから三十分が経とうとしたとき我は配信を占める。

 「家来よ!名残惜しくも我がこの場所に居れる時間が残りわずかとなってしまったのじゃ! 我はこれからゲーム?とやらの攻略を目指していこうと思うのじゃ!」


「それと、もし我の配信を見て我について行きたいと思った家来たちは出来ればこのあと配信するであろう我の同士達も見てくれると嬉しいのじゃ!」


「それじゃ家来達よ! またなのじゃ‼」


私の配信が終了した後は同期の二人が配信を始めた。まずはリスナーの呼び方を決め、これからの方針を話す。同期である二人もとても可愛かった。私が同じ場所に立っていいのかな? そんな不安が私の脳内を埋め尽くしつつ、私達Vオフィス二期生のお披露目配信は無事終わった……


初配信が終わった翌日、私は転入生として

高校へと向かっていた。新しい環境に慣れれるか心配だなぁ……私は不安を胸中に抱えながら自己紹介をした。

「はじめまして! 如月乃恵留です! のえるんって呼んでください!」その自己紹介のおかげか私には友達が出来た。天津海里くんと賢人くん。二人共Vtuberについて話す仲だ。やっぱりVオフィスは人気らしく、賢人くんや海里くんもノエル《私》のことを知っているらしい。そう考えるとなんか恥ずかしくなる。


それからも私は悪食ノエルとして配信を続けた。そして配信を始めてから3ヶ月程が経った頃、私は夜空ちゃんの正体を知ることになってしまう。

 その日は海里くんがなにか悩んでる様子

だったから話を聞く予定だった。海里くんは友達と話しながら遊ぶらしい。普通のような言葉だが、私は彼の合間に聞こえた同期という言葉に私は耳を傾けてしまった。

 

 同期ってどういうこと? 私の心に生まれた僅かな疑問はどんどんと膨らみ私の脳内を膨大な仮説で埋め尽くした。 

 もしかしたら…… いやそんなことない。

そんな自問自答を繰り返した私は勇気を込めて放課後、彼に尋ねることにした。


 「海里くんって天原夜空ってしってる?」その言葉に対して彼が取った言動が私の予想を確固たるものとさせた。予想を確固たるものにした私は勇気を振り絞って海里くんに言った。「海里くんって天原夜空だよね?」この言葉は彼との関係を打ち壊すような一言だ。海里くんの顔を見ると戸惑いの表情を浮かべている。そして海里くんは観念したのか私に天原夜空ということを白状してくれた。

 

 それからは海里くん、いや夜空ちゃんと

オフコラボを引っ掛けたり2期生全員と

オフコラボ配信をしたりもした。

そして私達3人のチャンネル登録者数が40万人を超え3D化をした。3D化記念配信では

夜空ちゃんとヒメナちゃんと私がオリジナル曲を歌った。それからの私達はどんどん大きくなっていった。



 Vオフィス二期生と三期生でコラボしたり、Vオフィスと新しく出来た後輩企業。

Vライブとのコラボ配信も行った。そして

海里くんのことが男の子として好きになってしまったのもこの頃だった。私がVライブとのコラボの後、スランプになって配信をする気になれなかった時に、海里くんは私を叱責してくれた。だから私は今、配信を続けられている。

今私が見てる画面には後輩である黒星アユと先輩の紅葉ワカバが夜空ちゃんと一緒にマニオカート配信をしている映像が映っていた。

 少し嫉妬してしまう自分に嫌気が差し

配信画面を閉じる。なんでこんな風になったんだろう? そう部屋に問いを投げかけるが答えは出ない。


 「よし! 次は歌枠だ! 頑張るぞ!」私はそう自分を鼓舞して右側に注いである

ビールを一杯飲むのであった……


……………………………………………………

ということで、本当に遅れてすいませんでした……短編というものが結構難しく時間が

かかってしまいました。さて、今回の話は10万人記念ということで今までの話を

悪食ノエルを演じる如月乃恵留視点で書いた話になります。


次の話は24時間リレー配信の第二弾になります。マニオカート配信と歌枠に行くかもです。



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