第44.5話(過去……YouTuber時代の夜空)

僕がYouTuberとなってから今日で一年が経った。僕は今日も自分のチャンネルに動画を投稿する。約半年前に皷玲香さんとコラボしてから僕のチャンネル登録者数はまさに鰻登りで増えていっている。今の僕の登録者はやく7万人。後3万人で銀の矛盾が手に入るのだ。 けど、最近の僕はあまり配信や動画投稿を行っていなかった。理由は一つ。やる気が出ない…… 僕は一種のスランプのような状態に陥っていた。 配信しようにも何をすればいいかの案が浮かび上がらない。 そんな時、僕の運命を左右してしまうある事件が起こる。


「ねえ、海里。 貴方はYouTuberとして

活動してるらしいけど、辞めなさい… 貴方のことだから高校に入っても続けるんでしょう?  学生の本業は勉強何だから、もしやるとしても高校に入るまでよ……」お母さんのその叱責に僕は何も口答えできなかった。辞めたくない。そんな思いは頭に浮かんでくるけどその分お母さんの大変さや負担を分かっているから何も言えない。 高校生まで

活動出来るだけマシじゃないか! 僕はそう考えて配信の準備を始めた。配信活動引退まで残り2年。この間に僕はたくさん配信や 投稿をして視聴者のみんなと忘れられないほどの思い出を作るんだ。 そしてTwitterのYouTube用アカウントで配信の告知をして僕はYou Tubeライブで配信を始めた。



「皆さん、こんにちわ! 今日の配信に来てくれてありがとうございます!! 今日の内容は「ブログレ実況」をしていきたいと思います!!」ブログレというのは『ブロッケングレース』と呼ばれるスマホゲームの略称でいわばパズルゲームだ。プレイヤーは次々に落ちてくるブロックを揃えてラインを

ブロッケン《破壊》する。僕はゲームを起動し、インターネット対戦のモードに進んだ。数秒でロードが終わり対戦画面に移行した。今回のモードは100人いるバトルロワイヤル制だ。僕は喋りながらブロックを揃えていく。そうしてる間に画面の右にはライブの醍醐味であるコメントが滝のように流れている。僕はそのコメントを読む暇もなく操作を続けた。時間が経つに連れブロックの落ちる速さは速くなっていく。もちろん僕はプロじゃない。どんどん速くなっていくスピードに対して僕は対応しきれず8位で脱落してしまったのであった……


一試合目が終わると僕はもう一度対戦を始めた。このゲームのこのモードは一試合が終わるのがとてつもなく遅い。だから時間の余裕がない人はこのゲームのこのモードはプレイしないのだ。 僕が配信を始めてから何分経っただろう。2回目の試合、僕は失敗してしまい95位で死んでしまった。今からゲーム終了までは約2時間ほどある。その時間を待つために僕は視聴者のみんなに言った。

「負けちゃって時間が余ってるから、コメントを拾おうと思うよ!」その言葉でコメントは言葉で埋め尽くされた。そこには初めて見に来てくれる所見の人もいた。 僕はゲームが終わるまで色々なコメントを読んでいった。


「それじゃぁ、今日のライブ配信はここらへんにするよ!! もし良ければチャンネル 登録と高評価宜しくね!!」僕はそう言って配信を終了させた……

 

配信が終わって、僕は1つのショート動画を投稿した。それは配信の切り抜きというやつだ。今回の実況の一部分を動画で投稿した。


 それからの僕は、毎日というほど配信を続けた。そして時間は刻々と過ぎていった。玲香さんとのコラボや他のゲーマーとのコラボ。そんな日々を過ごしている内に僕は中学3年の秋、あと約半年で引退の時期に差し掛かっていた。今のチャンネル登録者数は15万人。2ヶ月前に銀の矛盾は送られてきた。

やっぱり、達成感はとてもある。けれど僕は辞めたくない。そんな風に思うようになっていた。視聴者のみんなは優しい。そして僕自身ももっとみんなに笑顔を届けたいと思っている。けど、約束は守らなければ…… 僕は寂しさを隠すように受験のために少し頻度が下がることを伝える動画を投稿した……


それから僕は勉強を頑張って結果的に公立の高校に受かることが出来た。

 

 あと一ヶ月で僕は配信活動を引退しなければいけない…… そう考えるとまた涙が滝のように垂れていく。皷玲香さんや他のコラボ相手の人。お母さんに何も言えなかった後悔が押し寄せる。でも決めたものはしょうがない。僕は涙を拭いて自身の専用アカウントでお金を払って入ってくれたメンバーシップにひとつ投稿をした。


『明日、みんなに伝えたい重要なことがあります。明日の夜、メンバー限定配信をするので見に来てください……』


そして翌日、僕はハンカチを持って配信の準備をしていた。今学校は春休みに入っている。そのため僕の涙を見る人はいない。僕はハンカチをビチョビチョに濡らしながら機材を準備した。配信器具を見れば見るほど涙が滝のようにこぼれ落ちる。


そして時計の針が6時を回った頃、僕は目元を拭いて配信を始めたのだ………


僕の最後の配信は、数少ないメンバーのみんなに見送られて終わりを告げた。歌を歌ったり、最初の頃から思い出がフラッシュバックしてきてまた泣いちゃったっけ…… 


僕は赤く腫れてる目を水で洗い流しベットに包まった。包まらないと泣いてしまうから…… 

……………………………………………………


「長い夢だったなぁ、うん、Vtuberになって良かったよ。 ノエルちゃんやヒメナちゃんと会えたんだもん」昔の夢を見ていたのか僕はそんな言葉を発していた………


…………………………………………………………………………………………………………

ということで過去…YouTuber時代の夜空編でした。今回を含めた3話でこのYoutuber

時代の夜空編は終わりを迎えます。この話を見たあと第一話からもう一度見直すと面白いかもです………


さて、今回は約8話ぶりの番外編ですが、

次回はコラボ配信の夜空編を予定しています。次の番外編はまた8話以降進んだらにしようと思います。

もしこの話が面白いと思ったらレビュー、 フォロー、その他諸々してくださったら嬉しいです。






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