第205話 同レベル
千年前の出来事、と言われても、巻物の一部を見せられて説明された出来事なので、俺よりも、千年前の出来事に詳しい前当主、桃代に参加をしてもらう。
俺に残留する記憶は、桃香に対する僅かな記憶だけだから。
桃香が御神体にされた台風の出来事を、一度は龍神に聞かせた
俺が真貝の当主になり、桃代と再会すると、
話しが終ると、桜子でさえ神妙な顔つきをしていた。
「まあ、そんな感じで今に到る訳だな」
「そうだったの・・・モンちゃんが頑張ったから、桃香様は最後に、しあわせに逝く事が出来たのね」
「俺にはわからないけど、そうだといいな・・・」
「紋次郎君、桃代さんがあなたを伴侶にした理由がわかりました。あなた、本当は優しい方なんですね」
「ユリ、勘違いをするな、俺は優しくなんかない。気に入ったヤツ以外には、冷たい無関心なヤツだからな」
「モンちゃんは冷たくないよ、自分を丸呑みにした龍神様にまで食事の用意をしてあげるくらいだもの。だから、鬼のあたしにも
「あのなキーコよ、大昔の事じゃけん、ワシはあれから人を喰うてないけんね、そげな目で睨まんでくれる?」
「龍神様ッ! モンちゃんがヘビ嫌いなのは、幼い紋次郎君に巻き付いて、記憶を奪っただけじゃなく、前世であなたに食べられたからなんですね!」
「あのなキーコさん、そげな事を言われても、ワシも悪気があった訳じゃないんで。ワシは元々そげな存在なんじゃから、そこは理解して頂けると・・・紋ちゃん、なんかフォローして」
「キーコ、龍神を責めてやるな。コイツは改心した後、千年も人に尽くして龍神にまでなったんだから、凄いヤツなんだ。だからそこは認めてやらないと・・・・時々、ぶち殺してやりたくなるけどな」
「ほら、やっぱり。殺したいほど恨まれてる。また、モンちゃんを食べようとしたら許さないですからねッ」
「キーコちゃん、龍神君は紋次郎君を絶対に襲わないから安心していいよ。だって、前世の紋次郎君は龍神君の血肉になったんだから、自分で自分を襲うようなモノよ」
「うぅ、さくらちゃん、ええ事言うのう。そういう事じゃキーコ、ワシの中には前世の紋ちゃんがおる。じゃけぇ、紋ちゃんを襲う事はない」
このヤロウ、ハブの助の時の事をすっかり忘れていやがる。
思い出させてもいいのだが、キーコが心配するので
「それにね、龍神君と紋次郎君は、
「そうじゃ、そういう事なんじゃ。ワシの性格は、前世の紋ちゃんが融合した影響もある。まあ一部、排泄物にもなったがのう」
「ぷっ、じゃあ、今の紋次郎君は排泄物の生まれ変わり? 龍神君、そこまで言うと悪いわよ」
「がはは、ワシじゃなくて、さくらちゃんが言うたんじゃろ。紋ちゃんガッ!・・・
「ケッ、おまえも桜子もホント反省しないな。桃代の目を見てみろ。俺はもう、助けてやらないからな」
「あっと、桃代さん、今のはおフザケです。二度とフザケませんから、あまちゃんさんにチクらんとって!」
「ヒ~~ッ、悪ノリしてしまいました。ごめんなさい紋次郎君。桃代姉さん許してください」
「龍神様、次は無いですよ。桜子あなた、紋ちゃんが好きで意地悪を言うにしても、イヤな言い方ばかりしてると嫌われるよ」
「うっ、それは、そうですけど・・・だって、紋次郎君って意外と面倒見が良いから。でも、勘違いしないでください、ライクですからね」
「おい桜子、そんなお為ごかしの言葉に、今更俺は
「ひッど~い! 紋次郎君なんて、わたしよりド馬鹿じゃない。いいキーコちゃん、紋次郎君に懐くのはいい。だけど言動を真似してはダメよ。マガイモンって、言われちゃうからね」
「あ、テメエ、真貝の当主の俺に向かって、いまマガイモンって言ったな。当主権限を発動するぜ。秋野家を分家筆頭にしてコキ使ってやる」
「ふ~んだッ、真貝の実質的な当主は桃代姉さんだもん。紋次郎君は、ただのお飾りじゃない。だから、ごめんなさい言い過ぎました。許してください紋次郎君」
「あの~桃代様、モンちゃんと桜子さんは、
「そうよ、この二人は同い年だから、同じレベルで仲良しみたい。どう、イヤになった?」
「いえ、毎日楽しそう。あたし、モンちゃんと出会えて本当に良かった」
キーコが喜んでくれたので、この場はなんとか
ただ、龍神に対して、キーコが
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