第23話 大蛇?
龍神様はシバかれて地面の上に転がった・・・もちろん、経験値は入らない。
ニョロニョロしたモノが苦手な俺だけど、ここぞとばかりに勇気を
まずは龍神に
俺の最終兵器。
それは、魚屋が使う
台所にあったのを、桃代に黙って借りてきた。
「龍神テメエ! 調子に乗ってんとッ、これで鱗をバリバリ
「イッ、イッヤ~ッ、やめんかい! ワシと紋ちゃんの仲じゃろう!」
「フフフ、どうしようかな? このまま頭の鱗をまばらに
「あッ! テメエ! もしもそげな事したら、ワシも黙っておれんけぇね。電車に乗っとる時、ワシは紋ちゃんの社会の窓から顔を出して、コンニチハするでぇ!」
「あっバカ! そんな事をされたら、俺は露出狂の変態で、社会から抹殺されちまうだろう」
「じゃ、じゃあ、お互い嫌がらせはせん。ちゅう事で取り引きをしようか?」
俺と龍神は、
この時点では、
結局、龍神との取り引きに応じる事にして、約束の
「あれ? 龍神、おまえは手がないの? 俺の中では、龍の短い手が
「うん、まあ、そうなんじゃけど。ワシは
「おまえ、なかなか下品な野郎だな。それよりも腹が減ったから、俺が持って来たえびせんを半分ずつにしようぜ」
「おっ、いいねぇ紋ちゃん。さっそくワシにお供え物かい」
「俺は、おまえと気が合いそうだから分けてやるのに、そんなに上から言うと分けてやんないぞ」
「うそ、うそ、怒んなよ紋次郎。ワシもえびせんが好きじゃけぇ、久しぶりのえびせんにちょっとはしゃいだだけじゃ」
俺はビニール袋を地面に敷いて、その上にえびせんを半分出して、分けてやる。
腹が減ってきたのも確かだが、食べながら話した方が
龍神はとぐろを巻くと、頭を下げて一本ずつ、ちまちまとえびせんを食べている。
俺も袋に手を入れて一本ずつ、ちまちま食べる。
お互い変なところでも気が合っている。
あらかた食べ終わったところで、龍神の方から話し掛けて来た。
「なあ、紋ちゃん。もう少し、食べ
「ん~っ、持ってない。今度来る時に、ゆで卵をたくさん持ってきてやるよ」
「なんでゆで卵なんじゃ?」
「あ、いや、ヘビが卵を丸呑みして、カラだけペッてするイメージがあるから?」
「あのな~それは生卵じゃ。紋ちゃんはヘビが卵を
「おまえ・・・イヤな言い方するな。生卵だと持って来る時に割れてリュックの中がドロドロになるだろう」
「ふ~ん、まあええけど、その代わりカラだけは
「おまえは
「うん、まあ、桃代以外はひどい扱いじゃった。例外もおったけど、どいつもこいつもワシを怖がって、近寄らんかったからのぅ」
「確かに、俺だって怖いもん。桃代は変なヤツだから平気なのかもな。それよりも、おまえは妙に
「まあ、そうなんじゃけど、中には
「ふ~ん、桃代がねェ。アイツ、その割には現当主の俺を死んでからもコキ使おうとしてるけど? ちなみに、おまえは人ではない」
「
俺は当主であることを証明する為に、スマホにある逆鱗の写真を見せてやる。
龍神は真面目な顔でスマホを見ると、当主であることを信じてくれて、これからは俺を当主として扱うと約束してくれた。
しかし、今までの当主のように、俺は
俺自身、対価に合わない利用をされ続けたのだから。
安い対価だが、えびせんは対価の前払いだ。
価値ある情報を聞かせてもらえれば、次はお好み焼きを持って来てやるつもりだ。
当主として認められたので、俺は我慢していた重要事項を聞く事にした。
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