6-9 京子の変幻

京子は1日すぎると鷹くらいの大きさになり、四日経つと、拓哉が乗れるくらいの大きさに成長した。いきなり巨大竜として登場しなかったのは、ゲーム内のバグと判断されるのを避けるためだった。


拓哉は竜にハリーと名付け、その能力を知るために、近くにいるモンスターと戦った。


「お前、火を噴いたり、雷落としたりしないんだな」


(だからゲームなんて無理だって言ったのに、飛ぶだけで精一杯。火なんて吐けるはずないわ)


シュンとする竜を拓哉は励ました。


「ごめん、飛んでくれるだけで助かるよ。これで影ボスとも戦える。明日、二回目のボス戦やってみるよ」



次の日、京子竜の額から巨大なツノが生えていた。


「これは乗りやすい」


弓のように曲がった先は、立ち乗りした拓哉が握るのにちょうど良い位置だった。



拓哉を乗せた京子は、城の五階ベランダから突入した。宮殿には一度倒したはずのドルフヴェルムが待ち構えていた。


そいつを倒すと、前回と同じように城が崩れ始めた。拓哉は京子に乗って城から脱出し、影ボスを待った。

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