第33話 四人での対話
同盟の内容として、天使族が地上に下りて国に尋ねてきた際、招き入れてくれること。また、天使族が危ない状況に陥った時は助けること。それは同盟なので、エルフ国も狐人国も同様で、危険な状況に陥ったら助けることが条件になっていた。
それ以外にも細かい内容を含めたら、数えきれないほどの無いようであったが、エリクソンさんとロンローリさんはすぐさま了承したが、エリクソンさんがラファエル様に質問をする。
「なんで今更同盟なんて組もうと思ったのですか?」
「それは、時が来たとしか言えません」
「......。それは今後危ない状況に陥るってことですか?」
「まあそうですね。より詳しい詳細は今後お伝えいたします」
すると、ロンローリさんとエリクソンさんは頷いた。
(多分、魔族が世界の秩序を崩すってことだよな)
でも俺たちが知っている情報は多分一握りだと思う。だからこそ、今は言えない内容とかもあるのかもしれない。それに今後のことを今言ってしまうと、混乱を招く可能性もあるかもしれない。
「それで、これからどうすればいいですか?」
「そうですね......。まずはウリエルと戦術などは話してください」
「わかりました」
するとロンローリさんがラファエル様に
「私はどうすればいいです?」
「そうですね。狐人国もエルフ国を助けてもらうことは可能ですか?」
「はい。もちろん加勢する予定です」
「では、今から狐人国に行ってもらいたいのですが.......。ちょっと待ってくださいね」
そこで、ラファエル様が俺たちの元へやってきて
「どうやって狐人国へ行けばいいですかね? 流石に何度も転移魔法を使うとバレる可能性もありますし」
「あ~」
それもそうだよな。転移魔法を何度も使うってことは、それだけバレる可能性も増えるってことだ。でも、転移魔法を使わないかつバレないように狐人国の人たちに伝える方法......。
(あ!!)
「ロンローリさん。ランドリアへ行くことは可能ですか?」
「いけますけど、なんでです?」
「私がギルドから火山地帯の依頼を受けています。それをついでに報告してきてほしいのです」
急いで国に戻ると、何か異変を察知された可能性があるかもしれないが、ランドリアへ途中寄ることによって、それも紛れるかもしれない。それに加えて、ガイルさんに伝えてくれることによって、助けに来てもらえる可能性もできる。
「わかりました」
「お願いします」
そこから、ラファエル様とウリエル様はエリクソンさんと今後についての話し合いを始め、ロンローリさんはすぐさまランドリアへ向かい始めた。そして、俺たちは戦闘に備えるために三人で話すためにルーナの部屋に向かおうとすると、アミエルさんが
「私もついて行ってもいいですか?」
「いいですよ!!」
ルーナがそう言った。そして数分程歩いてルーナの部屋の前に着くと
「ちょっと待ってて」
「「「うん」」」
(そう言えば、ルーナの部屋に入るのは初めてだな......)
今まで何度もエルフ国に来たことはあったけど、いつも客人用の部屋に案内されていた。
「入っていいよ!!」
クロエが部屋を開けると、中は可愛らしい内装をしていた。俺たちが床に座ると
「それでこれからどうするの?」
「そうだな......。まずはやることを決めよう」
「どう言うこと?」
「俺たちが最優先にやること。それを決めないと迷いが出てしまう」
そう。戦闘している時、何を最優先にするかを決めないと心のどこかで迷いが出てしまい、支障が起きる。そうなったら、どうなるかなんて考えるまでもない。
「それは......」
「俺は、ルーナとクロエ、他にも大切だと思った人を助けることを最優先にする」
「......。私もそうかなぁ」
俺と同様にクロエもそう言った。
「私は......」
「ルーナが迷うのもわかる。だけど自分の中で、最悪の事態が何なのかを考えてほしい。それを回避するのが最優先事項だと思う」
「私もメイソンやクーちゃん。それに家族を守りたい。だけど国民だって......」
「そっか。だったら俺がルーナを守るから、自分のなすべきことをやればいい」
そのために俺がいる。いや俺たちがいるんだ。パーティっていうのはそう言うもんだと思う。俺がルーナの立場で決めろと言われても難しい。だったら、俺たちがルーナのことサポートをすればいい。そうすれば、ルーナができる範囲が増えるはず。
「ありがとう」
「私もできる限りルーナさんやメイソンさん、クロエさんに力を貸したいと思います」
「ありがとうございます」
そこから、四人でどのように戦うかを話し始めて一時間ほどが経ったところで、ノックが入った。
「姉さん、俺だけど」
「入っていいよ」
そして扉が開くと、不安そうな表情をしながらルッツが中へ入ってきた。すると、アミエルさんのことを見て少し驚きながらも
「姉さんにメイソン兄さん、クロエ姉さんお久しぶりです」
「久しぶり」
「どうしたの?」
「パパから話は聞いた。何日後に魔族が攻め込んでくるの?」
それを聞いて、俺たちはアメリアさんの方を向く。
「そうですね。後一週間と言ったところでしょうか」
「「「「え......」」」」
考えていたよりも、早く攻め込んでくることに俺たち全員が驚きを隠せなかった。
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