第662話 子供達は

ヨシノブが留守にした基地内では子供達が反省会を開いていた。

「ロンメル、カルラ大失態だな、」

「・・・面目無い、戦況だけに目を向けすぎていた。」

「私も早く終わらせようとして油断があったわ。」

ロンメルとカルラの二人は項垂れている。


「二人とも反省をしているようだから、これ以上の責は問わない、だが、何が悪かったかを見直し、レポートの提出を行うように。」

「「わかった(わ)」」


「みんなもよく聞け、どんな任務であっても安全第一でこなすように、それこそがおとうさんの意思だ。

いいか、任務前にはKYを行うんだ!」

「「はい!」」

「それでは本日はこれにて解散。」

ヘルマンの解散の言葉と共に会議室から全員が出ていく。


そんな中、カルラの周りに女の子達が集まる。

「そ、れ、で、カルラはアナベルさんの事どう思っているの?」

リミが楽しそうにカルラに聞いてくる。

「どうって、なにが?」

「なによ、命の危機を乗り越えた二人に愛が芽生えって、ならないの?

アナベルさん、結構カッコいいし。」

「うーん、どうなんだろ?私、あまり恋愛脳じゃないせいからかな?

あんまり感じないのよね。」


近くで聞いていたローラも話に入ってくる。

「それってマックスさんにも興味ないの?」

「恋愛自体がわかんないかも・・・」

「あら〜マックスさんの想いは届いてないのね。」

「だから、わかんないんだって、それよりハルくんに会いにいきましょ。

私、まだ立っているところ見てないのよ。」

「あれ?カルラまだ見てないの?

可愛いのよ、一生懸命立とうとして、ちょっとコケて尻もちついたりして。

もうハラハラするの。」

「うーーー、ズルい、私も見たいの!」

「あっ、でも今は無理かも、アキラさんがオンブして散歩していたはず。」

「アキラさんが?」

「うん、会議に来る前にちょこっと見たわよ。」

「それって大丈夫なの?アキラさん無理しそうじゃない?」

「安全だとは思うけど・・・」

ローラは軽く首を傾げるが・・・


「ちょっと見てくる!」

「私も!」

カルラとリミは慌てるように駆け出したのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る