第649話 戦後
降伏をしたレックスは縛られた後、連れて来られた所で不思議な光景を見る。
住民を二つに分けているのだ、兵士を別に分けるのならわかるが何故住民を分けるのか?
レックスにはわからない。
だが変に異を唱えてこれ以上心象を悪くするのは避けておきたかった。ひとまずこの光景は置いておいて、マックスとの対談に頭を回すべきであろう。
そもそも、今回は何故マインズ王国騎士団長のマックスが自ら率いて攻めてきたんだ?
小競り合いは昔からあったが、騎士団長自らが来ることなんて無かった筈・・・
つまりマックスが来る理由があったということだ、その理由がわかれば、多少マシな話が出来るはず。
レックスは頭を回し考える、今までと違うところを考えていた・・・
その頃、俺はロンメルの所に着いていた。
「ロンメル、お疲れ様と言いたいけど、わかるよね?」
「ごめんなさい、おとうさん。
カルラとアルバート、それにフランツを危ない目に合わせてしまいました。」
ロンメルは暗い表情で謝ってくる。
「そうだね、一番大事なのはみんなの安全だよ。
それを間違えたらいけない。
俺が渡す装備品は強いけど、無敵じゃない。
君達が俺に怪我をしてほしくないように、俺も君達に怪我をしてほしくないんだ。」
俺が話しているとロンメル達は泣き出してしまう。
「泣くなよロンメル、君はみんなを纏める立場だろ。
厳しいかも知れないけど、君に期待しているんだ、これからもみんなを導いて欲しい。」
「がんばりまず・・・」
俺はロンメルの頭を撫でて落ち着くまで一緒にいる。
俺がロンメル達の相手をしている間、一緒に来ていたヘルマンが情報収集をおこなっていた。
「ふむ、カルラ達はまだマックスの陣か。
それに軍の方針は役人の撲滅か、悪くないプランだが・・・」
ヘルマンはヨシノブが一緒に来ていることに不安を覚える。
ヨシノブは良くも悪くも優しすぎる。
ヨシノブに手を出したことを悔やませる戦いなのだ、残虐に行いたいところだったが方向転換が必要になるかも知れない。
マックスを操作出来るカルラとなるべく早く合流すら必要があると感じていた。
「ヘルマン、カルラを迎えに行こうか。」
ロンメル達が落ち着いた頃、俺はヘルマンと合流してマックスの陣まで迎えに行くことにする。
「はい、手筈は整っております。ロンメル行けるな。」
「おう、もう大丈夫、おとうさんの護衛に戦車隊がつく。」
「そんなに大げさにしなくても、戦争も終わっているみたいだし。」
「油断は禁物です、今回の件でよくわかりました。」
ロンメルに安全の事を語った手前必要ないとは言えなかった。
「うにゅ、そうなのよ!安全に動く必要があるのよ。鬼さん来るのよ。」
ロンメルの言葉に何を思ったのかシモが鬼達を呼び出す。
「戰場でおとうさんの危険が危ないのよ。
だから護衛なのよ。」
シモは手をパタパタさせているがよくわからない言葉になっている。
「なるほど、御父君をお守りすればよろしいのですな。」
「そうなのよ、おとうさんを守るのよ。」
「ご下命賜りました。」
俺は戦車に乗りつつ、周囲を戦車と鬼に囲まれ、マックスの陣に向う事になる・・・
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