第580話 火の精霊サラマンダーと火竜クラテル
火の大精霊サラマンダーに呼ばれて火竜クラテルはサラマンダーがいるマグマの流れる島に来ていた。
「クラテル、マーマ様の事を知ってるか?」
「あの方は今クシズ山を巨大にしているのではないのか?」
「正確にはしていただな、ヤーヤ様とダーダ様と御二方と共に実験的に噴火を起こしておられたのだが、御三方ともに何者かに殺されたみたいだ。」
「殺された?あの御方達は死しても神界に帰るだけだろう。」
「それがだ、先日こちらに降りてきたヲーヲ様の話だと、アキラに斬られて魂を喰われたそうだ。」
「アキラ・・・あの悪魔か!アイツは地球に帰したはずでは?」
「いるらしい、アキラを始末するためにヲーヲ様がこちらに降りてきたそうだ。」
「ヲーヲ様でも難しくないか?言っては悪いが御三方の方が強かったはずだ。」
「どうやら作戦があるそうだ、その為に四大精霊と四竜を集めるらしい。」
「それで俺を呼んだというわけか。」
「ああ、同じ火属性同士、連絡がつくからな。」
「なるほど、それでヲーヲ様は?」
「他の四竜と四大精霊に会いに行かれている。」
「なるほど、どのような作戦か聞いたのか?」
「一応な、四竜が標的に近づきアキラが出てきたら撤退、あの悪魔は必ず追いかけて来るから四竜は違う方向に撤退、私達精霊が各四竜を援護して逃げる時間を稼ぐ。
そして、アキラが留守になった屋敷をヲーヲ様が襲撃、アキラが大事にしている孫を攫うそうだ。 あとはその子を人質にして交渉するらしい。」
「・・・上手くいくのか?」
「・・・アキラが相手だ、四竜と四大精霊の何人かは死ぬだろう。
だが、神の御命令だ、従わないわけには行かないだろう。」
サラマンダーの表情は暗い。
アキラを相手にすれば四大精霊といえど始末されてしまう、この作戦は参加者全ての者が命懸けなのだ。
「仕方ないか・・・わかった、それなら俺とお前で逃走方法を話し合っておこう。
少しでも生存率が上がるように・・・」
「そうだな、死にたくはないからな・・・」
その瞬間、ルーデルが投下した爆弾が爆発する。
「ぎゃあああ!!」
「ぐわぁぁぁぁ!!」
二人は急にきた爆発に悲鳴を上げる。
だが、クラテルはすぐに態勢を立て直し、防御に集中する。
「サラマンダー、俺の影に入れ!」
そして、自分を盾にしてサラマンダーを庇う。
「クラテル、そんな事をしたらお前が・・・」
「大丈夫だ、俺の防御ならなんとか耐えれるはずだ、だがお前の防御だと難しいだろう。
俺の影に隠れて防御結界をかけてくれ。」
「わかった!」
サラマンダーはクラテルの影に隠れたあと全力で防御結界をはる。
「「うおぉぉぉぉぉ!!」」
二人は全力で爆発を耐えた結果クラテルは全身をボロボロにしつつも、なんとか耐えきった。
「クラテル!」
「無様だな、まさかこれほどの威力を受けるとは・・・」
「喋るなすぐに回復魔法を使える奴を呼んでくる。」
「ああ、頼む。すぐには動けそうにない。」
羽は千切れ、手足は無くなり、鱗もボロボロになっているクラテルは力が残っていなかった。
サラマンダーが動き出そうとした、その時・・・
「ちっ、まだ威力が足りないか。
ならこっちの最新型の方も試してみるか。」
ルーデルの無慈悲な攻撃は2発目が投下される。
「なっ!追撃だと・・・」
「クラテル!」
一発で限界だった二人に二発目を耐える力は残されてなく。
二人は消滅し、魔力を宝玉に吸われるのだった。
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