第579話 火の精霊・・・

火の精霊、イフリートのいるところはマグマの池となっている不思議な場所であった。

人が訪れない島にあり、噴火している訳ではないのに、マグマが絶えず流れ、海に注がれていた。


そして、捕獲に来ていたのはルーデルだった・・・


「ルーデル、説得方法考えてきたのかい?」

ルーデルに質問するのは戦闘機の運用の為に空母を使い一緒に来ているデーニッツだった。

「任せろ、簡単に倒してやる。」

「倒してどうするんだ!連れて行くんだろ?」

「・・・なぁ、俺達は前より強い相手と戦う事もあるよな?」

ルーデルは真剣な目をデーニッツに向ける。


「たしか、この前の戦闘ではシモ以外、いい戦果とは言えなかったけど・・・」

「大精霊ぐらい吹き飛ばさないと勝てない敵もいるよな?」

「そりゃ・・・って、ルーデル何を考えている。」

「新型爆弾を作ったんだ。」


「待てって!精霊を捕まえて、魔力を確保するのが目的だぞ。」

「見ろ、宝玉を持ってきた。」

ルーデルは以前にヨシノブが貰っていた宝玉を持ってきていた。


「ルーデルこれは?」

「ファイさんに聞いたら、倒した者の魔力を貯める事が出来る宝玉らしい。」

「まさかお前・・・」

「やっちまうのさ、幸いここは人気の無い島だ、無くなっても誰も気づかない。」

「よせって、目的を忘れるな。」

「目的は果たすさ。まあ見てろ。」

デーニッツが引き止めるもルーデルは空に上がってしまう。


「デーニッツ、島を目視した、これより爆撃を開始する。」

「今ならまだ間に合う、考え直せ。」

「・・・爆弾とう・・・いや、何かいるな、竜がいる、赤色の竜だ。」

「ルーデル、それは四竜の一人の火竜のクラテルじゃないか?」

「そういえば聞いたことがある名前だな。ポチッとな。」

ルーデルは躊躇いもなく爆弾を投下する。


「おい、ルーデル今のポチッて、何だよ、まさか!」

「俺の爆撃は誰にも止められないのだ。」

ルーデルの高笑いが、木霊する中、巨大な爆発が島ごと呑み込むのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る