第532話 訓練後
俺が訓練を終えたらルナが差し入れを持ってきてくれた。
「ありがとう、ルナ。」
俺はスポーツ飲料を一気に飲む。
「ふふ、そんなに慌てて飲まなくても、あっこんな所にケガがありますよ。」
訓練をすると軽い切り傷なら多数出来ており、うっすら血が流れている。
「ああ、これぐらいはいつもだからね。
すぐに治るよ。」
「いけません、ほら上着を脱いでください。ポーションを塗りますので。」
「いや、大丈夫だって。」
「いけません。」
「そうなのよ、おケガは早く治さないとバイキンさんが怒って暴れちゃうのよ。」
いつの間にかシモもやってきており、ポーションを塗ろうとしている。
「シモちゃんも一緒にヨシノブさんに塗っちゃいましょう♪」
「おーなのよ♪」
ルナは上着を奪い、手にポーションをすくい俺の身体に塗っていく。
「はい、シモちゃんもヨシノブさんにヌリヌリしましょう。」
「おとうさん、ヌリヌリするのよ。」
「ちょ、二人ともくすぐったい。」
「がまんしてください、あら、指が滑りました。」
ルナはわざと俺の脇下に指をはわす。
「ひゃ!ちょいストップ。」
俺は思わず声を出す。
するとルナとシモの目が怪しく輝く。
「おとうさん、楽しそうなのよ♪」
「シモちゃんもやっちゃいます?」
「やっちゃうのよ♪」
シモも楽しそうに脇下に手を入れてくる。
「ちょい、ストップ、だめだって、やめてー!」
俺が笑い転げている間にルナはズボンに手をかけ・・・
「はい、ヨシノブさんヌギヌギしましょう♪」
楽しそうにズボンも脱がすのだった。
「ちょ!ズボンはまずいって、止めてシモ、止めて。」
ルナを止めたいのに、脇がくすぐったくシモに止めるように言うが、笑っている俺が楽しいのか、嬉しそうに止めたりしない。
「シモちゃんが上を塗っているあいだに、私は下をいただきますね。」
ルナは怪しく指をはわせる。
その動きはキズ以外を刺激するような動きだった。
「ちょっと、まずいって!」
「大丈夫です、天井のシミを数えていたら終わりますから。」
「ここ天井ないから!」
そんな場合じゃ無いのに思わず突っ込む。
「ヨシノブ、そういうことは家の中でやれよ。」
「リョウ、助けてくれ!」
「うーん、人の恋路を邪魔すると馬に蹴られるというし♪」
「てめぇ、楽しんでやがるな!」
「お前が困る姿は見てて楽しい。」
「いい性格してやがる、って、シモストップ!!」
俺はくすぐりに負け、リョウに悪態つくことも出来ない。
だか、俺の悲鳴を聞いたのかサリナがハルノブを連れて来てくれた。
「シモ、くすぐるのは止めなさい。」
「うにゅ?にゅ!おかあさんなのよ。
す、すぐに止めるのよ。」
シモは慌てて手を離す。
「ヨシノブさんが止めてって言ってるのに続けるのは悪い子ですよね。」
「うにゅ・・・ごめんなさいなのよ。」
「いいですか、家族が嫌がることをするなんて駄目な事です。
シモのすることを見てハルノブも育つのですから、お手本になるようにしてください。」
「はいなのよ!おとうさんごめんなさいなのよ。」
シモはしょげながら謝ってくる。
「いいよ、シモ。悪気が無いのはわかっているからね。」
俺はシモの頭を撫でる。
俺かシモの相手をしている間にサリナはルナを連れていき、説教を始める。
「さて、ルナさん。いったいお外で何をしているのですか?」
「あはは・・・ちょっと手当を。」
「やりすぎです、小さい子も見ているのですから、やるなら部屋の中でしてください。」
「あれ、怒るところそこなの?」
「うん?
ああ、ヨシノブさんの故郷は一夫一妻制でしたね。
でも、こちらでは一夫多妻が普通ですので、それにヨシノブさんの後継者は多数おられた方がいいかと。」
「サリナさん、じゃあ私がヨシノブさんとそういう事をしてもいいんですか?」
「ええ、私は認めてますよ、ですが人目につくところでは控えてください。」
サリナはルナに厳しく注意するものの、行為そのものについては叱ることは無かったのだ。
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