第514話 短期留学メンバー
「帰ったらヨシノブは説教だ!」
リョウが断っているのに、頼まれたからといって安易に引き受けた事に怒っていた。
「まあまあリョウ、おかげでうちの研究者も引き受けてくれたんだから。」
アズサは怒っているリョウをなだめる。
一応、今回の留学は短期間ということで一ヶ月を予定していた。
メンバーは政府から倉田フユ
ショウの友人、松下カズト
源家の研究者、平賀ゲンザイ
研究者の推薦で宮下モトキ、下平コウ、
合わせて5人を連れて行く事になる。
「でもなぁ・・・思うんだよ、アイツは絶対研究者とソリが合わない。」
「大丈夫じゃないかな?ヨシノブさん優しそうだし。」
「アズちゃんは知らないだけだよ、アイツは自分の世界を大事にする所があるから、研究者のワガママにどこまで耐えれるか。」
リョウはかなり不安視していた。
しかし、結局、連れて行く事を選択する。
「皆さん、向こうに行ったら必ず指示に従って下さい。
ワガママを言ったり、指示に従わなかった場合、最悪、死亡することもあります。
これは冗談ではありません。」
リョウは出発前に全員に確認をとる。
「リョウさん、わかってます、早く向こうに向かいましょう!」
モトキは心ここにあらずといった感じでソワソワしているのが見て取れる。
「モトキさん、その態度が死に繋がりますよ、いいですか、事前に配ったテキストにあったように、
傍若無人なジジイに逆らわない、近づかない。
お人好しの当主の悪口は言わない、考えない。
なのよ〜が口癖の幼女に失礼をしないこと。
いいですか、それを破ると本当に死にますよ。」
リョウは事前にテキストを配り注意点を知らしめていた、リョウとて殺したい訳ではないのだ。
「ちょっと、リョウ、みんなに怒られるよ。」
名前こそ上げてないものの、誰のことかわかったアズサはリョウをたしなめる。
「アズちゃんこれは大事なことなんだ、これを破ると異世界から帰って来れないどころか輪廻の輪にすら帰れなくなるかもしれないんだ。」
リョウは真剣な眼差しで答える。
「もう、みんないい人なのに。」
ヨシノブやシモ、アキラですら、敵対したことのないアズサからみたら悪い人では無かった。
「アズちゃんはわかってないなぁ、爺さんなんて魔王が可愛らしいぐらいの邪悪さだし、シモちゃんも怒ったら、魑魅魍魎が暴れ出すし、ヨシノブに至ってはその全てが襲って来るんだぞ。」
「うーん、怒らさなかったらいいんじゃないかな?
ヨシノブさんやシモちゃんは普通にしてたら大丈夫なような?」
「普通にしてたらね、異世界に行ってテンション上がった状態で果たしてどうなるか・・・」
リョウは心配しかしてなかった。
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