第485話 ミスリル

ミスリル、それは異世界にある魔法金属。

それがヨシノブの手によって源家に送られ、研究が始まる。


研究の結果、ミスリルはアルミより軽く、なおかつ超硬より固く、粘り気もある頑丈さを併せ持っていた、その上、電気の通電も金より高いため、新たな鉱物として期待が高まる。


源家では合金の技術も進んでおり、ミスリルとの合金を生み出すことに成功していた。

そのため・・・


「ミスリルの輸出ですか?」

基地でのんびりしているところに源家の研究所から連絡が来る。

「はい、新たな技術革新の為に協力願えればと。」

研究所所長の平賀ヤスシは言いにくそうに伝えてくる。

「でもなぁ産業にするには鉱山無いと話にならないし・・・」

「なにとぞ、ご検討の程を。」

画面越しに土下座をして頼み込んでくる。


「約束は出来ませんが少し調べてみます。」

俺はそう言うと連絡をおえる。

「ヘルマン、ミスリルについて知っていることある?」

「ミスリルですか?高価な金属ということは知ってますがそれぐらいですね、鉱物ならドワーフの方なら詳しく知っているかと。」

「ドワーフか、そういえば最近会ってなかったね、一度マインズ王国の王都に行って・・・」

「ダメなのよ!おとうさんは基地から出たら危ないのよ。」

シモがすぐに反対の意見を出してくる。


「王都には屋敷もあるし大丈夫だよ。」

「ダメなのよ、おとうさんは外に行くとお怪我をするのよ。」

「う〜ん、基地にいるだけも飽きたし・・・」

俺はシモをヒョイと抱きかかえる。

「おとうさんにダッコされたのよ♪」

「じゃあ、行こうか。」

「にゅ!!ダメなのよ!」

「それじゃ降りる?」

「にゅぅぅぅ!!それもダメなのよ。」

俺はそのまま空港に歩いていく。

シモはしがみついて止めようとしているみたいだが、足が地面についていないのでただ抱きついているだけだった。


空港に着くと・・・

「ヨシノブさん、だめですよ。」

サリナが待ち構えていた。

「サリナ少しだけだよ、気晴らしにちょっとね?」

「はぁ、しょうがないですね、でも警護は最大にします。それに私もついて行きますから。」

「えっ?じゃあハルノブは?」

「一緒に行きます。それで危ないと言うなら行くのを止めてください。」

「・・わかった、家族旅行も兼ねて王都に行こうか。」

俺はみんなを引き連れ、王都に向かうのだった。


「王都も久しぶりだね。」

俺は屋敷に着くと懐かしさを覚える。

「ようこそお越しくださいました。さあ屋敷の中に。」

入口では留守を任せていたアドナーの案内で中に入る。


「王都で変わったことある?」

「ビザ家の当主とその派閥の者達が各種の罪で捕縛されております。」

「ビザ家というとシリアさんのところだよね、やっぱり俺絡みの話になるかな?」

「はい、どうやら派閥の連名でヨシノブ様を非難なされたようですが、陛下の判断により、取り締まったようにございます。」

「となるとその貴族達には恨まれたということだよね。」

「致し方ないことかと、ただ陛下は各所に警備兵を配置しておられるようにございます。」


「まあ、この屋敷の警備はありえないぐらいに堅くなってるけどね。」

俺は窓の外を見ると鬼達が外を警備をしているうえ、リョウがヤマタノオロチを召喚している。


「どこかの魔界かな。」

俺は苦笑いを浮かべるのだった、

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