第448話 相談
「シリア様、ショウさん、お待ちを。」
カルラに案内されてハイム商会、会長ハイムが部屋に入ってくる。
「ハイムさん、どうしてここに?」
「何やら勝手に住人代表を名乗って交渉している男がいると聞きまして、住人として謝罪と仲裁にまいった次第です。」
「ハ、ハイム、助けてくれ!」
マカロフは商会仲間でもあるハイムに助けを求める。
「マカロフさん、私はあなたを助けたりはしませんよ、私が仲裁するのはシリア様とショウさんの仲でございます。」
「私を見捨てるのか!」
「もちろん、欲の皮を突っ張らせ、交渉という名の脅迫を行ったあなたは商人失格だ。
欲に溺れた結果は自身で受け止めるといい。」
「くそっ!俺はこんな所で終わったりしない!」
マカロフは暴れて逃げようとするがオットーにキツく縛られ身動きを取れなくされた。
「マカロフ!ハイム、ショウ止めさせなさい!」
「シリア様、落ち着き下さい。ショウさん少しすいませんな。」
ハイムはシリアを連れて二人で話をする。
「シリア様、あなたがどのような綺麗事を述べても絶対に彼らには届きません。」
「なぜですか!」
「どうもヨシノブという彼らの当主が現在重傷で意識不明のようなのです。
そのため彼らは本拠地に急いで帰還しているそうなのです。
その状況で私達が要求すればするほど彼らは私達と敵対関係になってしまいます。
ここは1つ大人しくしておく事が彼らとの関係を築くのに必要なことかと。」
「しかし、ですね、このままだとマカロフの命が・・・」
「シリア様、為政者なら犠牲が出ることを受け入れて下さい。
そもそも、反逆を企てたら死罪、わかりやすいでは無いですか。
彼は自身の欲の為に選択を間違ったんです。」
「ですが・・・」
「シリア様、ならマカロフの欲望の為に他の住人達を殺す気ですか?」
「えっ!」
「彼らはそれを行えるだけの力を持っています。
何故マカロフが強引にいったのかわかりませんが私なら怖くてそのような真似は絶対に出来ません。」
「彼らが怖い?どちらかというと優しいイメージが・・・」
「優しく見えるのはそれだけ力があるからですよ。
この船を見てください。何処にこんな船を持っている者がいるんですか。
そして、見たことも無い装備で固めている子供達、きっとアレも想像以上の武装だと思われます、何も知らない相手に喧嘩を売るのは大間違いです。」
シリアはハイムの言葉に耳を傾けていた。
「シリア様、私に彼らとの交渉の窓口をさせてもらえませんか?必ずや成果を上げさせてもらいます。」
「分かりました、ハイムあなたに一任します。どうか領民の人達が無事であるようにお願いします。」
シリアから一任されたハイムは再びショウの元に戻るのだった。
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