第437話 ショウ達は
エーリヒから連絡を受けたショウはすぐさま動き出す。
「ルーデル、ヨシノブさんをすぐに迎えに行ってくれ!」
「ショウ兄どうしたんだ?」
「ヨシノブさんが大怪我をしたらしい、ポーションをすぐ積める分だけ持って急いで行ってくれ!
みんなもヘリにポーションを積むのを手伝ってくれ!」
「それを早く言ってくれ。すぐに出る、みんなも急げ!」
連絡を受けたいずも艦内は慌ただしく動き出す。
ルーデルが飛び立つまでに持っていける分をすぐに積み込み離陸。
「みんな気を抜くな、ヨシノブさんのケガはポーションでも一時的にしかふさがらないそうだ、そこで街中のポーションを買い集めて来てくれ。」
「「はい!!」」
「パウル、君はシリアさんの所から出せるだけのポーションを譲ってもらうように頼んできてくれ。」
「はい!」
「俺は基地に連絡を入れて送ってもらう手筈を整える。
いいか、1分1秒が大事だ、すぐに動いてくれ!」
「はい!」
ショウの指示を受けた子供達は早かった。
すぐさまポーションを商店に買い漁りにいき、街の富裕層の家にも訪問して予備を貰い受ける。
ヨシノブの活動を見ていた者達は、ヨシノブに恩を売るためにも協力的な所が多かった。
その中でズムで一番大きな商会、ハイム商会にカルラは来ていた。
「ふむ、ポーションを有るだけですか?」
「はい、おとうさんが大変なんです!ちゃんとお金は払いますから」
「そうですか・・・わかりました、定価の半額でお譲りしましょう。」
「ありがとうございます。でも、定価でお支払いいたします。」
「いえいえ、今後とものお付き合いを考えて全面的に協力させてもらいますよ。
治ったらヨシノブさんによろしくお伝えください。」
「ありがとうございます。お礼は必ず行います。」
カルラは喜びポーションをいずもまで送ってもらう手筈を整え次の商会に向かうのだった。
パウルはシリアの屋敷に来て面会をしていた。
アポは無いがヨシノブの子供ということで特別にシリアとの面会が叶となっていた。
「シリア様、ポーションを分けてください!」
「あなたはヨシノブさんの所の子供で・・・パウルさんでしたか?」
「はい、おとうさんがケガを負わされて、ポーションが沢山必要なんです!どうか有るだけ僕達にもらえませんか!」
「それは一大事ですね、クベ、ヨシノブさんの所にあるだけのポーションを渡してください。」
シリアは世話になっているヨシノブの為ならとクベに指示を出すが・・・
「シリア様、ポーションは今後必要になると思われまして、安易に譲るべきではないと考えます。」
その言葉を聞きパウルはクベを睨む。
「クベ何を言っているのです!ヨシノブさんは私達の為にどれほどの事をしてくれていると思っているのですか!」
「しかしながら、今後領民からケガ人が出たときにポーションが足りなくなればどうするのですか?
まあ、今までのヨシノブ殿の奉仕を考え、上級ポーションを1つ差し上げればよろしいかと。」
「あなたは・・・」
「シリア様、屋敷に保管してある分は領民の物でもあるのです。
いざという時に無ければ領民はシリア様を恨む事になるでしょう。
私としてはそれを認める訳にはいきません。」
クベは純粋にシリアの為を思って言っていた。
クベの中ではビザ家の姫として領民に愛されるようにしか考えていない。
ましてや、余所者で出自もよくわからないヨシノブの事を見下している所もあり、シリアが頼るのを面白くなかったのだ。
「くっ!それなら頼みません!」
パウルは時間の無駄だと判断して即座に出ていく。
パウルが出ていったあとシリアはクベを説得するがクベが頷く事は無かったのだった・・・
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