第425話 対談

「準備していただけるなら助かりますが、信じてもらえたのですか?」

「ロベルト殿とは付き合いが長いので、彼がわざわざ推薦する方が言うことに耳を傾けるぐらいはしますよ。

それに内容もこの街の領民の事であり、あなたの利益になる話でもないでしょう。

それなら備えるぐらいはいたします。」

「ありがとうございます。本来なら援助できればいいのですが、今は他の街の避難を進めてまして・・・」

「ふむ、つまりあなたはマインズ王国に縁があると。」

ライトは話の内容から俺の立ち位置を理解したようだった。


「何故か聞いてもいいですか?」

「簡単ですよ、クシズ山の周囲にある街で大きいのはこの街以外だと反対側のズムですからね。」

「・・・それでマインズ王国と縁がある俺をどうするか聞いてもいいかな?」

俺は少し警戒するが・・・


「何もしませんよ、わざわざ山の危険を教えてくれたのでしょう?

それに我が国と争っているのはビザ家であり、マインズ王国とはやり合うつもりもないのです。

出来れば小競り合いのまま、停戦協定を結びたいところなのですが・・・」


「停戦の話は先代のギンとかいうやつの時に暗殺して邪魔したと聞いたが?」

「あれは我が国ではありません、生き残った外交官の話だとビザ家が持ってきた贈り物を開けた時に爆発が起きたと。」

「それならビザ家の誰かが当主をやったのか?」

「おそらくは・・・ギン殿は停戦に乗り気になっておりましたので、邪魔に感じる者がいたのでしょう。

ヨシノブ殿、マインズ王国にツテがあるならティエラ連邦は戦争をする気が無いと伝えて貰えないでしょうか?」


「伝えるのは構わない、俺宛に手紙を出してくれたらマインズ王ルーズに見せる事を約束する。」

「わかりました、正式な親書を政府に発行してもらっておきますので、次にお会いしたときにお渡しします。」

「それでいいよ、何ならマインズ王国王都にある俺の屋敷に届けてくれたら対処するように伝えておくよ。」

「ありがたい。」

俺とライトは固く握手を交わす。


そして、屋敷をあとにするのだが・・・

「なんかキナ臭い事に巻き込まれている気がするなぁ・・・」

ビザ家の内部の黒さが見えたような気がするのだった・・・

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