第400話 神竜ブレザの不幸

アーロンが消えても呼出した魔物は消えていなかった。

しかし、ロンメル達、戦車隊の合流もあり、数を減らしていく、屋敷周辺は程なく駆逐が完了し、王都方面にも援軍に向っていく。

王都からもマックス達騎士団が出てきており。

徐々に片付けていっていた。

「あとはあの竜と魔族のニイチャンかな?」

「ヤマタノオロチと孫悟空が戦ってるけどな。」

「リョウ、どう見る?」

俺は遠目で戦っている二人を見る。


「互角だね、敵さんも中々やるねぇ〜」

「うにゅ?シモも竜さん退治してみたいのよ?」

「一騎討ちの邪魔はだめかな?」

「うにゅぅぅぅ・・・シモの参観は終わっちゃったのよ。」

シモは悲しそうにうなだれる。


「シモ、ヤマタノオロチさんが良いと言うなら代わってもいいよ。」

俺は悲しそうにしているシモを見かねて伝えると。

「にゅ!ちょっと聞いてみるのよ。お父さんも来てほしいのよ。」

シモは俺の袖を引っ張り、早く行こうと促す。


「そんなに焦らなくても大丈夫だよ。」

「うにゅ、早く行かないと亡くなっちゃうのよ。」

俺とシモはヤマタノオロチの所に向っていった。

「・・・セリフだけ聞くと普通の子だが、中身は物騒だな。」

リョウはため息を吐きつつ、俺とシモについてきていた。


「ヤマちゃん、ヤマちゃん、頼みがあるのよ!」

「これは姫、いかになされた?」

ヤマタノオロチの頭の一つが俺達と話し始めた。

「シモね、竜退治がしたいの、代わってほしいのよ。」

「姫の頼みとはいえ、今は私が戦っておりますので・・・」

「ダメなのよ?

・・・シモね、おとうさんにかっこいいところを見せたいのよ。」

シモは瞳に涙を溜めてお願いする。


「かないませぬな、そこの駄竜よ!光栄にも姫様がお相手してくださる。

頭を垂れて受け入れるがよい!」

「一騎討ちを投げ出すとは、貴様、竜の誇りはないのか!」

「姫様の頼みを断る者などおらぬわ!」

「竜の誇りを忘れおって、そこの姫と申す、幼女の骸を見て後悔するが・・・って何をしておる?」

ブレザは足元で何やら機械を用意しているシモを不思議そうに見る。


「おとうさんにもらった銃なのよ。」

どうやら超電磁砲が気に入ったようで撃ちたくなったようだった。

「おとうさん、みててほしいのよ♪」

シモは超電磁砲を準備し終えたようだ。

しかし、よく見るとシモの刀、ケンちゃんが超電磁砲に突き刺さっていた。


「シモ、刀が刺さっているよ?」

「うにゅ!ケンちゃんがこうすると超電磁砲の火力を上げれるって言ってたのよ。」

「火力が上がる?」

「うにゅ、これが生まれ変わったレーちゃんの威力なのよ!」

シモは言葉と共にスイッチを押した。


その瞬間、超電磁砲から放たれた弾はブレザの頭に向かい・・・


ブレザは反応する事もないまま頭を吹き飛ばされたのだった・・・

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