第386話 アーロン
アーロンは魔王の力で無尽蔵に魔物を生み出す力を得ていた。
その力を用いて、屋敷の近くで大量召喚したのだが・・・
「なぜだ、アキラがいないのに何故これほどの戦力がある・・・」
アーロンは驚きを隠せなかった。
現在残っているのは、ただの子供と異世界から転移してきた奴らの筈・・・
ツバサの記憶から火薬を使い撃ち出す銃の存在を知ってはいた。
それに対して、遠距離に強く固い魔物を中心に呼び出していたのだが・・・
「何故だ、何故魔物がやられていくんだ!」
上空にいた多くの魔物は謎の爆発で一時全滅してしまったうえに、屋敷に攻め立てていた地上部隊も乗り込む寸前で止められてしまい、徐々にだが押し返されていた。
その上、幼女を先頭にした集団が異常な速さでまっすぐアーロンに向って来ていた。
「くそっ!仕方ない、アア、神の座を失いし哀れな魂よ、盟約に従い此処に顕現せよ!」
アーロンは一体のかつて神であった者を呼出す。
「くちおしや・・・なぜ・・・われが・・・魍魎とならねば・・・」
「アキラに連なる者共の駆逐を命じる!かつての最高神の力を見せてみよ!」
「アキラ・・・ニクタラシヤ・・・神に逆らうフトドキモノ・・・」
「そうだ、アキラの前に血祭りに上げてやれ!」
アーロンの命令にアアは屋敷に向かい進んでいく。
アーロンは魔王の力で一つの魔法を完成させていた。
それはこの世界で死んだ魂を強制的に使役し呼出す魔法であった。
アーロンは死の世界で見つけた強者を呼び出していく。
魔王の副官として仕え、世界に絶望をもたらしたというアイギ。
世界に君臨し、誰も倒すことが出来なかった神竜ブレザ。
かつて剣聖と呼ばれ、真の勇者でもあったアキラの友、イゾウも呼び出されてしまうのだった。
「ここは?俺は死んだはずなのに?」
「イゾウよ、私の命令を聞き、敵を滅ぼせ。」
「なに?お前は誰だ?・・・って、なんだこの戦闘意欲は・・・」
「一度死んだお前に逆らう力などないわ!剣聖と呼ばれたお前の力を私の為に使うがよい。」
「くそっ!誰がそんな自分勝手な理由に従うか・・・」
イゾウは自身の身体が勝手に動こうとするのを必死で止めていた。
「なっ、私の魔法に抵抗するとは・・・ならば、その意識を封じてくれよう。
ただの戦闘人形に成り下がるがいい!」
「やめろ!」
「もう遅いわ!」
アーロンは邪魔なイゾウの意識を奥底に沈めてしまうのだった。
「・・・」
「敵を倒してこい。」
イゾウはそのまま抵抗することなく、屋敷に向かい駆け出していくのだった。
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